「ここで思い切って暗殺の技術革新を図るべきだと思います・・・」
「技術革新・・・?」
「はい!世界で活躍している一流の暗殺者から・・・新しい暗殺の技術を学ぶのです!」
「ハッシシの匂い、・・・伝統的暗殺法の最大の武器が失敗の最大の原因だったとは・・・ありがとう・・・ミスター・デューク・東郷・・・」
(ストーリー)
イスラムのアサシン団は、トルコ陸軍参謀長アブドル・モハメッドの暗殺を謀るも、6度も失敗した。そこでアサシン団のメンバーの一人が、最新の暗殺技術を学ぶべきであるとして、ゴルゴに依頼した。そして暗殺現場を見せてくれと頼んだが、もちろんそれは断られた。そのため、勝手に見ることをお許しくださいと願い、その件はゴルゴから却下はされなかった。
アサシン団はゴルゴを尾行しようとしたが、ゴルゴに似た人物を追ってしまった。そしてゴルゴは、アブドル・モハメッドを軍事パレード中に、戦車の砲兵として参加し、戦車がモハメッドの前を通りかかる瞬間に射殺した。
アサシン団は、モハメッド射殺の瞬間を目撃した。そして敬礼のポーズを利用して戦車から狙撃したとにらんだ。アサシン団の暗殺技術のどこに欠点があるのかわからなかった。そして、この計画を立てたイブン・グルセルがゴルゴを狙うことでその暗殺ノウハウを知ろうと試みた。
航空機の中でゴルゴを襲い、そのときにゴルゴから、アサシン団の欠点を聞けた。ハッシシの匂いでわかってしまったという。
(解説)
「アサシン暗殺教団」の一幕である。何度も暗殺が失敗するので、暗殺法に問題があるのだと思い、ゴルゴの暗殺法を観察したが、何が問題かはわからなかった。死ぬ間際にゴルゴが教えてくれたが、おそらく、そのノウハウがアサシン団に伝わることはないであろう。その原因は、暗殺前にハッシシを吸うという、伝統が、相手にその存在を分らせてしまうということなのだ。昔からの伝統が邪魔をするのである。そのため技術革新が必要なのではなく、伝統を断ち切ることが必要なのだ。
[教訓]
〇技術革新がないのが悪いのではない。革新を妨げる伝統が邪魔なのだ。今すぐ見直せ。