「それがたかが外国大使一人と引き換えに・・・失言です。取り消します!」
「ガルシア少佐・・・君の気持ちもわからんではない・・・せっかくの君の努力と鉱石が報われることなく無に帰してしまうのだから・・・だがしかしわたしはゲリラ分子を急いで釈放することは考えてはいない。ある一人のプロフェッショナルを雇うことに決めたのだ!」
(ストーリー)
ボリビア人民解放軍が、フランス大使オーギュスト・マルローを誘拐し、政府軍につかまった仲間との引き換えを要求した。
それに対し、ボリビア政府はゴルゴに、マルロー大使の奪還と、解放軍のリーダーであるエルナンド・モンテス殺害を依頼した。
暗殺者がボリビア政府に雇われたことが、解放軍にも情報が渡り、刺客がゴルゴのところに送り込まれようとしていた。
(解説)
「死の収穫(前編)」の一幕である。人民解放軍の重要人物を一か月にわたる内偵の末に発見して、捕えたのだが、フランス大使が解放軍に誘拐され、仲間と交換を要求してきた(この時点では要求すると見込まれていたというのが正解。正式な犯行声明は出していない)。せっかく逮捕したのにというガルシア大佐の行為に対して、上司としては「君の努力を無にすることはない」とまずねぎらった。努力を無にしないために、ゴルゴを雇うことに決めたというのが上記の台詞である。
ビジネスにおいても、従業員、部下の努力を無に帰するようなことが多々ある。そのときに、結果が出なければ報いないという、完全成功報酬主義を貫くと、やる気もうせてくる。やる気を維持するためには、結果は完全に出すことはできなかったという場合であっても、その努力に何らかの形で報いる必要がある。いわゆるモチベーション管理だ。
できれば報酬という形が望ましいが、成果が出ないと分配原資がないこともある。だからせめて、言葉だけでも感謝の意を表し、気を使っていることを示すべきであろう。
[教訓]
〇上司が部下への気遣いをすることは無駄にならない。お金を使わず、気を使え。