「あたしは・・・あんたと出会ったときから・・・血が何だか血が騒いで・・・まるで娘のように、血が騒いでしょうがなかったんだよ!・・・男が憎くて憎くてたまらなかったはずなのにねえ、そのあたしが・・・あんたにはもう一度苦労をしてみたくなった・・・」
(ストーリー)
子供が道でナイフ投げをしていた。そのナイフがゴルゴの近くに飛んできた。瞬時に拳銃で構えたが、子供はゴルゴが刑事だと思った。ちょうどそこに母親シルビアがやってきて、ゴルゴが宿を探していると言ったら、うちに泊まっていきなよという。ゴルゴは仕事が終わるまでシルビアの家に泊まることにした。
シルビアは元夫に逃げられ、それ以降男嫌いに。新しい男が寄ってくるも、子供からも敬遠される始末。シルビアも子供もゴルゴに惹かれ、子供はいつかゴルゴが母親と結婚してくれることを祈るようにまでなった。
ある日、街にピストル強盗が起こり、警官が射殺。その犯人は中国系という。シルビアはゴルゴを疑う。しかし犯人は別にいて、シルビアはゴルゴが犯人ではないことに安堵した。
(解説)
「ナポリの女」の一幕である。どこへ行っても女には好かれるゴルゴである。さて、上記は母親シルビアがゴルゴへ語った台詞。これらは男女関係のことだけではないはずだ。あるビジネスに出会ったときも、同じような感覚に陥ることがある。苦労してもなお、このビジネスをやり抜きたいという気持ち、仮に生活が苦しくなっても絶対に成功するまでやり続ける。
ビジネスには出会う時期もある。若い時期に出あっても、なんだいこんなつまらん仕事!と思っても、ある程度年齢を重ねてから出会うと、以前とはまた別の見方ができるようになっている自分がいる。「こんなつまらねえ仕事と思っていたんだけど、もう一度苦労してみたくなったんだ」と言ってしまうこともある。
また、ピンとくる仕事もある。出会ったときにこの仕事をやってみたいと思っていた。血が騒いでしょうがない。こんな仕事に出会ったときに、本当にやる気になるというものだ。まあ、こんな仕事に出あわず、人生が過ぎ去っていく人が多いのであろうが・・・。
[教訓]
〇本当にやる気のある仕事に出会えるように、出会う可能性だけは消さずにおけ。
〇全ての仕事は縁とタイミングだ。
〇苦労してもいいと思う仕事以外であれば、苦労しなくていい。少なからず、他人から与えられた仕事で無理に苦労しても意味がない。