「そして、皮肉な事に・・・それは、我々がベトナム戦争に負けた70年代から始まった!ベトナムの敗北によりアメリカの大人たちが、傷つき自信を失ったことを、子供たちは敏感に感じていたのだ・・・そして、傷ついた大人には、もはや子供に夢を持たせる力はなかった!」
(ストーリー)
香港の人気スター、リーが命を狙われた。アメリカはハリウッド映画を国家戦略的産業と位置付け、リーがハリウッドに進出すれば、スターとなり、東洋人をスターにしてしまえば、自分たちの旨味がなくなる。
そこでゴルゴがリーを殺害する者を殺害する仕事を引き受けた。ゴルゴが仕事を引き受けたことで、保険会社も保険を受けることになった。ロケ現場でリーを狙う物がいたが、ゴルゴが全て狙撃した。
アメリカの国防総省の国防情報局(DIA)ではハリウッド戦略について会議がなされていた。アメリカの商品が世界で売れるのは、豊かな国、最先端を行く国というブランディングがなされているからだ。それをブランディングする一つのツールがハリウッドである。一種の情報戦略なのだ。ハリウッドという神聖なものを侵させない。おそらくそろそろ敵の全勢力が襲ってくるとゴルゴは睨み、華僑組織のビルに籠城を決め込んだ。
ゴルゴは一人で相手をせん滅することを考えていた。自分が素早く動き、敵の攻撃を防げるかにかかっている。まず敵は、ビルを停電させるが、自家発電が作動。司令部ではマネージャーとリーが籠城。ゴルゴは次から次へとDIAの兵士を血祭りにあげる。エレベーター内でも射殺。下の床から、上の階の兵士を殺害。窓から、昇ってくる兵士を狙撃。
とうとうマネージャーとリーの部屋に兵士が入ってきた。マネージャーは身を挺してリーを守る。その後で、その兵士をゴルゴがすべて殺害する。ゴルゴが敵の正体を突き止め、一気にカタを付ける。マネージャーのロイはゴルゴの攻撃ノウハウを全て知ってしまうため、いずれにしても命を絶つことを決めていた。リーを守り切ると、最後はDIAでリーの殺害を指示したアランを殺害。
国防総省のトップはアメリカはフロンティア精神を歓迎しようと、香港のリーを認めた。
(解説)
「世紀末ハリウッド」の一幕である。DIAにおいて、映画メジャーと共にアメリカのハリウッド戦略について話していたときの台詞だ。
大人と子供という関係だけではなく、リーダーとスタッフという関係にも言えるのではないか。会社には危機的な状況が起こりえるし、そうでなくともうまくいかないこともよくある。そこでリーダーが意気消沈していては、スタッフも敏感に感じる。
サラリーマンに夢がないのは、経営者に夢がないからだ。そして、人事をやっているとよくわかるが、あと何年後、あと十何年後は、所詮上司の誰々と同じ待遇。そこまで予測がついてしまうのだ。お金の話をしてしまうと、出世しても年収〇百万円、以上終了だし、お金だけでなくやることもイメージできてしまう。夢も減ったくれもない。また、上司は上司で、夢を語らないから、上から下まで夢のない組織になってしまう。わくわくさせる組織であれば、できる限りそこにとどまりたいと思うもの。もちろんスタッフの方も夢を持っていれば、そしてその夢がこの組織で叶えられると思えるのであればという条件付きではあるが。
[教訓]
〇リーダーは部下に夢を持たせてナンボ。