「これは、たしかにあんたの言う通り誰かが、あんたのテクニックをわざと使って、殺人をやっているんだっ!!」
「・・・こういう時には、殺しのテクニックだけに目が行きがちだが、一連の殺人事件に他の・・・共通点はないか?」
「共通点か!なるほど、意外と突破口はそっちにあるのかもな!あんたは、新聞記者になっても、一流になれる人だな!」
(ストーリー)
インドのニューデリーでゴルゴを真似た射殺事件が多発していた。ゴルゴはある新聞記者に接触し、自分のモノ真似をしているのが誰の仕業か、調査を依頼した。
狙撃者であるフランキーはゴルゴに真似るために、今までの事件を研究させていた。新聞記者の調べによると、ゴルゴのテクニックを真似たこと、被害者が高い社会的地位についている人、そして臓器移植手術の経験者であること。
新聞記者がシン議員のところに向かうと、遠くから狙撃された。記者も狙われるが、警察が来て辛くも救われる。臓器移植の秘密クラブがあり、シン議員とつながりがあるラシャバラク議員のパーティで、ラシャバラクの持つワイングラスをゴルゴが狙撃。ラシャバラクは臓器クラブのボスであるリヴェッツに脅さないでくれと依頼。リヴェッツはあずかり知らぬことであったが、フランキーに、ラシャバラクが想定外の行動をとったときには殺害するように命じた。
ゴルゴはリヴェッツの元を訪れ、フランキーを引き渡すように命じた。リヴェッツは同意するふりをして、ゴルゴに拳銃を向けるが、ゴルゴはリヴェッツを射殺。その後、フランキーはリヴェッツが殺害されたことを知り、データベースアナリストにゴルゴに勝つ確率が一番高い方法を教えてもらった。後ろから弾が出る拳銃というアイデアであったが、ゴルゴはすでに避けており、簡単に射殺された。
(解説)
「殺人マニュアル」の一幕である。ゴルゴが自分の模倣犯を探るにあたって、新聞記者と話しているときの会話である。新聞記者は、ゴルゴに似せたテクニックに目が言った。そしてゴルゴはそれ以外の共通点を探してくれという。
普通の人は、表面的な事象にしか目に移らない。しかし真実は裏面にある。目立ったところは誰でも見ているし、知っている。誰でも知っていることにはそれほど大きな価値はない。誰も知らないことに気づくことが真実に至る道である。
今はやりのビジネスがあるとして、どうしてもその表面だけに目が行ってしまう。そして表面上に見えるテクニックだけを模倣しようとする。経営学にありがちな、成功事例から、その要素を抽出する、アレである。それを真似しても、上手く行ったためしがない。それは実は表面的に誰もがわかることには、成功のノウハウがないためだ。ノウハウというのは隠れているからノウハウなのである。だから裏を見つめる目を持っていないと、ノウハウを入手することはできない。誰も成功しているノウハウなんて教えてくれない。そんなことを知っていたら、他人に教えることなく、自分でやった方がいい。
[教訓]
〇人が同じように見ている表面的なところにとらわれるな。裏を見つめる目を持て、そこに成功に至るノウハウが隠されている。