「お静かに!!万全の体制を整えてから着陸しますので危険はありません。我々の指示に従って落ち着いて、必ず安全ベルトを締めて下さい。それから胸に万年筆やネクタイピンをお付けの方は、お取り外しください。身の回りから危険物を外されましたら、楽な姿勢でいてください。」
(ストーリー)
ゴルゴがあるバーで遭遇した女性と、ホテルから空港へのタクシーで同乗し、さらに航空機でも隣り合わせになった。そのときに、航空機の車輪故障で、胴体着陸を敢行。機長の社内の客に対する台詞である。
危機を乗り越え、一夜を共にしたゴルゴとその女性だが、ゴルゴの仕事(狙撃)現場を見てしまって、ゴルゴはその女性を射殺した。暗殺した証拠を絶対に出せないため、自分の仕事をみた人間を生かしておくことはできないからである。
(解説)
「白夜は愛のうめき」の一幕である。航空機の中で、トラブルが発生した場合、遭遇したくはないが、機長やフライトアテンダントは、危機的状況の中でお客がパニックにならないように、状況を報告し、安心させるのも仕事であろうから、プロとしての仕事を完全に果たすのであろうと想像する。機長やフライトアテンダントが共にパニックになってしまったら、本当におしまいというものだ。このような状況には出会いたくないから、彼らの仕事ぶりをみたいとは思わないが。
少し観点は異なるが、熱くなっているお客は一度冷やさなければならないであろう。つまり、クレーマー対応である。まずは怒らせるだけ怒らせておく、ひたすら平謝りをしてみる。ここで注意すべきは、謝罪しているようで、誤りを認めないという態度である。誤りがあったことは事実だとしても、その誤りをその場で謝罪しないということ。あくまでも相手のガス抜きとしての平謝りしか、してはならない。後でトラブルのもとになる。
ガスを抜けば、お客も落ち着く。人間持続的には怒っていられない。体力も使うし、何より血圧に悪い。だから、客は落ち着かせるのが鉄則。どんな場面においてもである。
[教訓]
〇客の感情的を和らげるために、まずは怒りのエネルギーを口から追い出させることが肝要である。それが後のトラブル対応に生きてくる。