「何事も起こらないで会長のヘリが飛び去ったら・・・お前はそのまま引き返してくれればいい・・・」
「引き返すって!?そ、それじゃ報酬の方はどうなるんだ!?」
「お前のヘリを必要としたにしろしなかったにしろ・・・支払う。」
「えっへへ・・・それを聞いて安心した・・・」
(ストーリー)
ドーソン石油の専務フレッチャーがレオナード・ドーソン会長を、ドーソンビルの会長室で暗殺してほしいという依頼であった。ドーソンビルは、過去イスラエルの秘密機関に襲撃されて以来、難攻不落の要塞に仕立て上げられた。
ゴルゴはヘリコプターを依頼したが、請負人は交通事故で死ぬというアクシデントがあり、ゴルゴは脱出経路を一つ失った。
実はこの作戦は、ドーソン石油の会長自らがゴルゴを殺害するために仕掛けた罠であった。ゴルゴを怨む理由は息子をゴルゴから暗殺されたからである。調査したものの、ゴルゴへの依頼人はわからずじまいであった。
ゴルゴはビルの屋上から、ヘリコプターで侵入。会長室に居たのは中国拳法の使い手だが、竹のナイフで殺害。高層ビル(152階)を壁づたいにヘリポートまで戻るが、依頼したヘリは来ない。先程会長室で、会長自らが復讐のために仕組んだこととテレビ画面越しに暴露していたので、もはや会長室で会長を殺害する必要はなかった。クライアントに契約違反があったためだ。ゴルゴはありとあらゆる敵の攻撃をかわし、地下からようやく逃れた。
後日、ドーソン石油の会長が、息子の墓にゴルゴを倒せなかったことを詫びていた。しかし本当の息子殺害の依頼人は、息子本人であったこと記す遺書を弁護士から渡される。その墓のところで会長はゴルゴに射殺された。
(解説)
「帝王の罠」の一幕である。結局、ヘリの運転手は事故を起こしてしまってこなかったわけなので、このような場合には報酬は支払われなかっただろう。世の中には成功報酬拘りバカというのが存在する。こういう奴は大抵仕事ができない奴だ。仕事ができる奴は、他人の時間を使わせただけでもきちんと報酬を支払う。そういう人間のためには、いつでもスタンバイをするものだ。気持ちがスタンバイできていれば、仕事の質も上がる。それが成功報酬拘りバカは、人を待機させることにコスト意識を持たない。それは仕事ができない奴だからだ。そのため、成功報酬拘りバカが近寄ってきたら、あっちいけしっしぐらいでいいのだ。もちろん手付と、上手く行った時の成功報酬のような報酬体系には問題がない。それがお互いの合意になされているのであれば。しかし成功報酬拘りバカは仕事ができないから、一緒にいてもその後報酬がもらえるようなことはない。時間の無駄だから身近に置いておく必要もない。
[教訓]
〇成功報酬拘りバカという仕事のできない輩は近くに置くな。時間の無駄だ。