世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

オーバーなぐらいに念には念を入れよ

「もちろん、計画には常に不測の事態というのは起こりうる。だが、この場合相手が近くにさえいれば・・・殺害できないまでも、相当の手傷を負わせることができるだろう・・・となれば、後は仕上げをするまでだ・・・こいつ(手榴弾)を2、3個部屋の中へお見舞いするだけで十分だろうが・・・何しろ相手は化け物のような男だ・・・たとえ手傷を追っていても油断はできない・・・時限爆弾の爆発と同時に間髪を入れず部屋に叩き込むことだな・・・」

(ストーリー)
ジェームズ・H・ホッファは全米トラック運転手労組の委員長だったが、退職積立金の不正使用で逮捕。特赦で刑務所から出るも、誰かに消された。そこでホッファの息子が遺体発見と逮捕の功労者に賞金を出していた。

しかしKGBが偽物のホッファを送り込み、アメリカの労働界、マフィアや政界との腐れ縁等、議会で証言するといわれている。この偽物のホッファを消すのが、ゴルゴへの依頼である。しかもホッファに瓜二つの男の死体が判明できない形で始末してほしいという。

CIAがゴルゴを雇い入れたことをKGBで察知し、ゴルゴを消す必要が出た。そこで、ゴルゴのところに向かい娼婦に時計を渡した。それは実は時限爆弾であることを察知し、娼婦から遠ざかる。さらに刺客が手榴弾を持ち侵入した所を射ち、その手榴弾が暴発して爆殺された。

ゴルゴはある空港へ向かい、KGBを車のダイナマイトを撃つことで爆破。その後、セスナ機でアリゾナに向かうところを別のセスナ機で追い、ホッファの偽物、作戦を指揮したKGBのコワルスキー大佐もろとも射殺した上で、墜落死させた。

(解説)
「行方不明のH氏」の一幕である。KGBのコワルスキーの立てた作戦は、娼婦に時限爆弾式時計をはめさせて、ゴルゴを爆殺、さらに、部屋の外から手榴弾を部屋に投げ込んで、念には念を入れるというものであったが、ゴルゴはさらにそれを上回った。まさに念には念の入れ返しというものだ。

ビジネスにおいては、不測の事態というものは当たり前のように起こりえる。むしろ計画通りにいかないことの方がスタンダードだ。そのため仕掛けも何重にしておくべきだし、これがダメならあれ、あれがダメならそれ、と次から次へと手が打てるように常に準備しておかなければならない。それは普段からアンテナを広く張っておくこと、そして、上手くいっているからとして油断せず、いつダメになるかわからないくらいの気持ちで臨んでおくべきだろう。数か月先は闇、位な気持ちでいれば、失敗することはないであろう。

[教訓]
〇計画通りにいかないのがビジネスにおいてはスタンダード、常に何重にも仕掛けを準備せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする