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常に仕掛ける側の人間であれ

「有木、政界を揺るがす大事件になると言われたのに、なぜトカゲの尻尾切りで終わったか・・・わかるか・・・?この事件は全て、私の指示で行われたから、だ・・・」
「会長の指示・・・」
「ラストポロフは米国諜報機関の意向で、日本当局に対して私の名前を伏せ続けたわけだ・・・私の利用価値はまだいくらでもあったから・・・な!」

(ストーリー)
日本の帝国物産会長、巽千太郎は国際恒久平和会議の議長の大任を任された。秘書の有木が郵便物を届けた。巽は秘書にだけは、その手紙のことを話した。ラストポロフ事件で、トカゲの尻尾切りで終わったが、黒幕は自分であると。つまり、自分はソ連側のスパイであったのだと。有木は先般の疑いを受けていたが、巽が救い出し、今までよく使えてくれた家族のような存在だと。そこで家族に秘密があってはならないと。この手紙は脅迫文ではあったが、この手紙の出し主を突き止めて欲しいと巽は有木に命じた。

次に巽のところに堀内武通訳武官からの手紙があった。オホーツク海で彼は死んだはず。まだ堀内は生きている。そして平和会議の会場において殺すと脅迫している。堀内は通訳を務めていたため、巽の行動をすべて知っていた。そのため巽の諜報活動を知る堀内をシベリアの収容所送りにした。

有木はゴルゴを雇い、堀内が発砲する前にゴルゴに狙撃させるという計画だった。巽が演壇に立って挨拶しようとしたときに、有木は堀内はすでにいない、死刑執行の依頼はなされたとお別れを述べた。巽が演壇に立ったときに、ゴルゴが狙撃する。有木は情報収集のために巽の秘書となっていた。全て秘書の有木が堀内に見せかけた作戦であった。

(解説)
「50年目の亡霊」の一幕である。巽会長と秘書の有木の会話である。巽はソ連側のスパイであった。自分だけは捕まらなかった。その理由は、事件を仕組んだのは自分であること、さらに、自分には利用価値があったことと言っている。

会社組織において、捨てられるのは誰か。普通の従業員で利用価値の乏しい者。行き残るのは誰か。会社の上層部、利用価値の高い者である。もっとも、上層部といっても、それよりも強い会社のオーナーが自分以外であれば、上層部であっても首を切られる。後は利用価値が高いかどうかである。

常に、自分は仕掛ける方の人間か、そして利用価値があるか、そう言った観点で自分を見つめてみよう。そうすれば、社会の中で捨てられることはない。

[教訓]
〇自分が仕掛ける方の人間か、自分は他人にとって利用価値があるかをいつも考えて行動せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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