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決して油断をするな。手を抜くな。

「聞いていた通り・・・空恐ろしいお人じゃあんたは・・・獅子は野兎を捕うるのにその全力を傾けるというが!その例え通り、あんたは相手がこんな足腰絶たぬ姿であろうとも、気を抜くこと力を緩めることもなく・・・備えていなさる・・・それも意識の外でじゃ・・・」

「もし私を助けて下さるのなら・・・今、アメリカさんが必死に探している落とした水爆1基のありかをうんと安い条件で、あなたにお譲りしますわソロコフ隊長!」

(ストーリー)
ノルウェー領、ロフォーテン諸島で、非常事態の核兵器事故が発生した。核兵器事故を意味する暗号電は「折れた矢」と呼称していた。アメリカ側の事故であり、その拠点はソ連領に近いということも問題であった。残り一つの水爆を見つけられずにCIAがその探索に駆り出されることになった。そして、それをKGBも追った。

その頃、ゴルゴは全くの別件で、ノルウェーを訪れた。ハンガリーの同士をソ連に売り渡した裏切者イレーナ・フェレンツ(現シュルツ夫人)に対する殺害依頼で、今は亡き、以前虐殺されたハンガリー人が、虐殺を見越して、復讐を依頼し、その代理人を引き受けたのが、今回ゴルゴに依頼した老婆であった。そしてその標的のシュルツ夫人がノルウェーのズボルベル港にいるという。

全くの別件ではあったものの、CIAもKGBもゴルゴがノルウェーのズボルベル港に来ていることを察知し、お互いの案件に絡んでいるのではないかと怪しんだ。ましてや作戦の障害になるようであれば、標的とせざるを得ない。

あるとき、シュルツ夫人がCIAを呼びつけた。そこには先日墜落したアメリカの爆撃機B52の乗員1名がいて、夫人はCIAが探している水爆も知っているという。KGBもそれを探していることをにおわせ、夫人は金銭を要求した。CIAがシュルツ夫人にゴルゴから狙われいていることを伝えると、夫人はCIAに助けを乞うた。夫人がゴルゴに始末されれば、水爆の場所もわからなくなる。CIAはゴルゴから夫人を守ることを約束した。

KGBがシュルツ夫人に接触してきて、こちらにも水爆のありかをほのめかし、CIAとKGBがゴルゴを敵にした。ほぼ全員射殺したが、CIAのメンバー一人を行き残した。これらの抗争はCIAとKGBによる争いでその他の登場人物はいなかったと上に報告しろと命じた。

(解説)
「折れた矢」の一幕である。ゴルゴは相手によって、態度を変えるということはない。屈強な男を相手にしようと、ひ弱な老婆を相手にしようと、絶対に油断をしない。しかも、それを頭で考えているのではなく、無意識化でも意識をしているということが重要である。ビジネスは頭で考えるのではなく、体で動けるようになると本物である。頭は行動の邪魔になることもある。そして何よりも、絶対に簡単な仕事であっても油断はしないという心意気だ。

敵同士を共同させ、自分の敵と戦わせてしまうという戦略を実行したシュルツ夫人の話術(後半部分)にも注目である。ゴルゴから夫人を守ってくれた方に、水爆のありかを教える。どちらもそれを欲しているわけだから、対価は自分の安全+お金=水爆のありか。まさに商売人である。こういった等式を描いて、相手の欲しいものとこちらの与えられるものを提示できるか、それがビジネスパースンに求められる。

[教訓]
〇簡単な仕事でも、決して気を緩めるな。
〇顧客の欲しい物=こちらが提供できる物、この等式をいかに描くかがカギ。顧客からすれば、顧客の欲しい物<こちらが提供できる物に見えるようにするのもポイント。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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