「もうそろそろ着くころだなエルザ・・・」
「ええ・・・30分も遅れているみたい・・・」
「同じ景色ばかりがこう続くと・・・列車が進んでいるような気がしないよまったく・・・」
(ストーリー)
モザンビーク、まだポルトガルの植民地だった頃。ある列車に多くの黒人と、二人のアメリカ人、そしてゴルゴが乗り合わせていた。モザンビーク民族解放戦線という独立組織が、支配階級の植民地軍と戦っていた。
ある駅に、植民地軍が駐留し、首都に新総督、エンリケ・サンチェス閣下が地獄の回廊という全長260キロの道を通ることになっていた。解放戦線がゲリラ活動をするために、鉄道を利用する恐れがあり、乗客を臨検することになっていた。
当然、ゴルゴも臨検対象であったが、何も持ち合わせていなかった。またいつものように兵器部品を電気器具に見せかけてホテルに郵送させていたが、兵器はその中からは確認されなかった。また、二人のアメリカ人は、自然地理学会のメンバーで、無線機を飛ばしてカメラで調査をしていた。なお、乗客黒人の一人が手りゅう弾を持っており、その場で射殺された。植民地軍のリーダーは、ゴルゴを怪しんでおり、部下に監視を任せた。しかしぼろを出さない。
総督閣下が地獄の回廊を通過するときに、ゴルゴは丘の上で待機し、例の無線機で銃を運ばし、新任の総督閣下を射殺、それに気づいた植民地軍がゴルゴを撃つものの撃退。無線機の後ろに広告文がはためき、そこには「ありがとう、依頼人一同」とゴルゴへの感謝文が記載されていた。
(解説)
「地獄への回廊」の一幕である。海外は広く、広大な大地に電車が一本走っていて、景色は変わらない。次の駅に着くのも何時間かかるか、駅の間も長く感じる。慣れていないせいか、余計に時間が立つのが長く感じる。電車が遅れるのは日常茶飯事。定刻通り目的地に到着する日本の電車がどれほど優れているかを感じる。最近は人身事故も少なくないが・・・。
ある程度会社が大きくなると、ルーティンが多くなってくる。非常に退屈に感じる。起業家や経営者は毎日色々な刺激を受けることが多い。毎日景色が違うのだ。飽きっぽい従業員が悪いのではなく、変わった景色を与えない会社が悪い、そんな気にならないと企業は成長しない。
[教訓]
〇起業家や経営者は毎日従業員に別の景色を見せるくらいの意気込みがないと、企業は成長しない。