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リスト化するなら、そのリストを完璧にせよ。

「お、俺を撃つと・・・ここからの、脱出が難しくなるぞ!!」
「侵入が困難な守りの固いところほど・・・脱出への備えは甘いものだ・・・」

(ストーリー)
運転手バレンチノはハンドルを切りそこなったふりをして、ゴルゴの拳銃を振り落とそうとしたが無駄だった。ハミルトン石油の会長の屋敷に入った後、ガードマンと打ち合った後で、バレンチノはある管制室に入り、そこでは音を使って、人の位置を分るレーダーが備わっていた。また、その機械は発信電波で敵味方の区別をつけていた。ゴルゴはガードマンにいる場所を気づかれていることを知り、その発信電波をガードマンから奪い取り、その管制室に味方を装い、侵入し、そのレーダーを使って、ハミルトン会長の居場所を発見し、狙撃、バレンチノも殺害された。

(解説)
「統計解析射撃 ダラスの閃光」の一幕である。4人の拷問者のうち、3人を射殺し1人だけを生かした。これは会長の屋敷へ案内させるためでもあるが、一人の生残者バレンチノをゴルゴが選んだ理由は「おまえなら、いたずらに死を急がず、じっくりチャンスを待つ方を・・・選ぶだろうと、思っただけだ・・・」というものであった。どう転んでもゴルゴの味方にはならなさそうだが、そこで最後の台詞に「俺を撃つと、ここからの脱出が難しくなる」と言ったわけなのだが、ゴルゴも、もう利用価値がないと踏んだのだろう。ここでバレンチノを射殺している。

さて、ゴルゴの台詞「侵入が困難な守りの固いところほど、脱出への備えは甘い」とは、人間にありがちな一種の油断である。そのような仕組みを作ったのだからもう大丈夫と思うもの。人間は常に緊張していられない生き物なのだ。だから、緊張感を緩めたいときもある。そこでなんらかの仕組みを作ることで、そこで安心だと思ったことは注意しなくなる。

ミスが起こりがちな職場で、ミスが起こりそうなことを羅列してチェックリストを作ったときに思うのが、チェックリストを付けたところだけ注意していればいいという頭に代わる。そのチェックリストがない点には注意が及ばなくなる。得てして、ミスが起きるのは注意していないところなのだ。だから、進入が困難な場所は、脱出しやすいというのは人間の心理と言える。

[教訓]
〇注意すべきところだけをリスト化すると、その他注意しなくなるので気を付けよ。リスト化するならば、もれなくせよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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