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虎児を得るには、注意して穴に入れ

「どれほどの奴か知らねえが、こっちはこれだけの人数がいるんだ!!一気に襲ってやっちまおうぜっ!」
「慌てるな!・・・ボスも言ったろう、油断をするなって・・・、向こうから”奴が寝込んだ”という合図があるまで待つんだ・・・闇雲に突っ込んでいくのは、バカのすることだぜ!!何しろ相手は、たった一人でボスを狙ってやってきたほどの、プロなんだからな!!なめてかかるととんでもないことになるぜ!!」

(ストーリー)
グアテマラのサカバ地区は、アメリカ資本のバナナの生産会社C・G社(コーポレイティッド・グリーン・カンパニー)に実質支配されていた。その会社に対抗しようとしたゲリラ組織の一員がゴルゴに仕事を依頼したが、ゴルゴの到着前に、C・G社の手の者に殺された。父親の仇を取りたいとする子供ピッカロが神様にお祈りをしていたら、ゴルゴが来たため、ゴルゴを神様の化身と思い込んでいた。

さて、その母親は、C・G社に恐れをなして、夫もゴルゴも裏切る。それに気づいたものの、子供の前では手を下さなかった。ゴルゴはその家にやってきたならず者を撃退。母親はならず者に射殺される。その後、ゴルゴはならず者のボスのところへ向かい、射殺した。

(解説)
「白い巨人」の一幕である。ピッカロの母親であって、ゲリラの妻が、恐れで裏切って、夫を死に至らしめ、そしてゴルゴも裏切ろうとしていた。ゴルゴが寝込んだところをランプで知らせる手はずになっていて、ゴルゴは寝込んだように思わせ、実は起きていたのであった。

寝込みを襲う、それを知らせる役目がいる。そこまではボスも流石だとは思わせるが、それを予期して、寝込んだように思わせるゴルゴの方がもっと上手だった。

今のビジネスにも闇雲に突っ込んでいくバカというのは少なくない。虎穴にいらずんば虎児を得ずというのも確かだが、虎がいない時を狙うか、あるいは虎を殺傷できるだけの武器を持って穴に入るのが、戦略というものであろう。それと虎児を得るためだといって、闇雲に突っ込んでいくのはやはりバカ以外の何物でもない。マーケティング調査位行って、そのビジネスにおけるニーズがどれくらいあるのかは調べておかないと。単に、自分がこの商品やサービスを世に提供したいという理由で、何も考えずにメーカーに商品を作ってもらったら、上手くいくかどうかわからないのに・・・そういう人がいるものである。

ここまでくると、虎児がいないのに虎の穴に入り、八つ裂きにされるだけなのと全く変わらない。

[教訓]
〇虎児を得るためには、その穴に虎がいないか、いたとしてもこちらがどうしたら勝てるかを考えてから穴に入れ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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