「もし・・・それほどの男が・・・政府側に雇われたとなれば・・・」
「今度のジスカール・デスタン仏大統領の親善訪問の日に欠航することになっていた売国奴パブロス・エレシウス元帥の暗殺計画に支障をきたす事になるかも、しれんな、将軍・・・」
「しかし・・・これは、本部会議で、決定したことです!今更変更は考えられません!」
「将軍!!私たちにゴルゴ13の始末を、任せて下さい!!」
「うむ・・・よし・・・まかせよう!その男が敵だと判明したときには・・・お前たちの判断で処理してくれた前」
(ストーリー)
ギリシャのアスピダのメンバーが何名も暗殺者に殺害された。殺し屋たちもわかっている。あるメンバーがその殺し屋を殺しに行くといきり立っている。リーダーが他に適任者がいるとして三人の女性を送り込んだ。そしてその暗殺者の男たちをベッドの上で葬った。
この三人の女性が任務を完了した後で、ゴルゴを見かけた。その女性はゴルゴの事を暗殺者のプロと踏み、政府側に雇われた新たな暗殺者と予想した。アスピダの将軍は、ゴルゴが敵と分かった時点で仕掛けるべきと考えていたが、三人の女性はすぐに行動に移って始末すべきと考えた。
あるホテルのバーで、女性の一人メリナが迫るも、ゴルゴは血の匂いのする女を抱こうとは思わないといってその場を去った。次にイザベラがゴルゴに迫る。毒針で殺そうとするが、逆に刺された。
次にベアトリスがゴルゴの車に引かれた。助け起こそうとするかと思ったが、ゴルゴはその殺人爪を見破った。周囲の人間は自殺するように飛び出したといい、そのまま息絶えた。
その後、ゴルゴはアスピダの敵ではないことが分かった。アスピダの敵である元帥を射殺した。女性二人は無駄死にだった。最後に生き残った女性メリナはゴルゴの前で自害した。
(解説)
「三匹の女豹」の一幕である。暗殺者を殺して、自信満々になっているところに、組織の目標である元帥の暗殺計画に妨げになるかも、と上司が言ってしまったものだから、その気になってしまったわけだ。判断を任せるには、まだ未熟者であったと思われる。そもそも敵であるとまだ決まったわけではないにもかかわらず、敵と仮定して動き出してしまったからだ。
部下が、ある大きなプロジェクトを成功させて、もの凄くモチベーションが上がっているときには、むしろ冷却期間を置いた方がよいこともある。
少なからず、上司の指令がない限り動くなと上司は言うべきだったであろう。
[教訓]
〇部下が、あるプロジェクトを成功させて、自信がみなぎっているときに、一度冷却期間を設けた方がいい場合がある。過信があると足元を救われる。