「近くだ!!犯人は近くにいる!!非常線の手配だ!!」
「動くな!!動かないでくれたまえ!!動くと遠慮なく撃つ!! 逃げてくれ!!逃げてくれっ、私の死刑執行官!!少しでも遠くに逃げてくれ!!・・・」
(ストーリー)
大農場主のホセ・ロペス・デ・ガルシアの御曹司アントニオが誘拐された。そして犯人グループから身代金1千万ペソが要求された。
警官がある小屋を怪しんで探ったら、犯人グループと遭遇した。犯人グループは面が割れるのを恐れて、身代金をあきらめ、アントニオを殺害した。しかし犯人グループは官憲に逮捕された。
ガルシアは息子を失い、仇を取るために、ゴルゴに依頼した。メキシコの法律ではよほどのことがないと死刑にはならない。終身刑が極刑になる。そしてゴルゴに一つ条件を付けてもらった、死刑はいつ殺されるかと死の恐怖におびえてこそ価値がある。それを知らせたうえで殺害してほしいということだった。
ゴルゴは、ガルシアが裁判所で、息子を殺した犯人の公判を身に訪れた前で、護送車から降りた囚人をその場で射殺した。ガルシアは、ゴルゴを追おうとした警官を「動いたら遠慮なく打つ」と脅して足止めした。
(解説)
「銃殺人ひとり」の一幕である。もう究極のプロフェッショナルとはこういうものだということを示してくれたゴルゴ。父親の無念を晴らすため、父親の目の前で死刑を執行した。ガルシアもゴルゴの事を知っていたら、心配することもなかったのあろうが、ゴルゴに対するせめてもの感謝の気持ちを表した。その様子をゴルゴは知らなくても、こういうことが依頼人と仕事人の間では大切ではないかと思う。
クライアントの方で、たまに勘違い野郎というかお金を払ったら後はプロが何とかしてくれるものと思っている。それは違う。仕事というのはクライアントとそれを請け負った業者が手を取り合って進めていくものだ。お金を払ったから後は完成するのが当たり前というクライアントは、クライアントとしての資格はない。
業者も時にはクライアントになる。そのときに、クライアントだからと言って業者に任せきりではいけない。その気持ちを持っていれば、良きクライアントに巡り合える業者になる。
[教訓]
〇良きクライアントになれれば、良きクライアントに恵まれる業者になる。