「あんたは、俺の仕事があんたの仕事とかち合うとは考えんのか・・・マッキンレーのように?・・・」
「リーズ保険組合もリーズ生命も金払いの良さは世界一だ!アメリカの会社等はやたら細かい免責事項を設定しているが、リーズはそんなことはしない!人が死ねば、それが保険金先でなければリーズ生命は保険金を躊躇せずに払う・・・予定以上に支払いが増えれば・・・料率をアップすればよいのだ!犯人逮捕や事件の予防は警察の仕事だ・・・ブラッケンやマッキンレーのやり方は、この逆を行くものだ!それに、そもそもが不慮の死に備えるのが・・・保険というシステムだ!・・・著名人が死ぬたびに、保険加入者が増える・・・」
(ストーリー)
リーズ生命保険(ロイズと思われる)のアメリカ支社に調査部長のヨーコ・マッキンレーが働いていた。社長マイケル・ブラッケンは、数理化の分析により高額保険の加入者が死にすぎたと報告を受け、保険詐欺の可能性があると、ヨーコに対策を立てるように指示した。
事件がいずれも未解決となっており、ニューヨーク市警本部へ出向く。タルフォード部長に尋ねると、この件はゴルゴが関わっているから手を出すなという。それでは納得できないと、ゴルゴへの連絡方法を消すことを考えた。
まずは刑務所のマーカス・モンゴメリと会うが、喋れない。そこで弁護士アレックス・ウェーバーにマーカスを釈放する運動を起こすよう仕掛けた。次にユナイテッドホライズン土地開発の株を購入すること。リーズの資金運用部にその株を購入するように伝え、そしてラスベガスのカジノで異常にジャックポットを出すスロットマシン、これを弁護士に調査させた。このルートをマヒさせれば、ゴルゴへ仕事を依頼できなくなる。
ゴルゴが自分の連絡ルートを調べている奴がいると怪しむ。その頃、リーズ生命本社のルグラン会長がゴルゴと連絡を取ろうとしているがなかなかつながらない。
スロットマシンの調査が行われるときに、ゴルゴはカジノでボヤを起こし、マシンを破壊した。さらに弁護士のウェーバーが暗殺、資金運用部は損をしそうだからと撤退。
連絡機能が回復したときにゴルゴが向かった先は、リーズ生命の会長。会長はブラッケンとマッキンレーの殺害を依頼した。
(解説)
「システム・ダウン」の一幕である。保険会社の収益の源泉は人の不安である。確かに著名人が死ねば加入者が増える。一従業員からすれば、当然、保険金詐欺を見抜くのは仕事だが、犯人逮捕は、越権行為である。警察に任せておけばよい。保険会社にはその領分があり、それ以外に首を突っ込むことはない。
経営者はより高い位置から俯瞰して最善を尽くす。その時の視点は、自分たちの社会的意義は何かを明確にし、忠実に会社を運営することだ。
[教訓]
〇経営者は一従業員と異なり、会社全体のバランスを取り、自社の社会的意義を明確にし、会社を運営することである。
〇自分たちにとっての越権行為はするな。餅は餅屋という発想を持て。