「犯人が、ケルンスキーの命を狙ったものなら・・・既に第二弾が発射されケルンスキーは命を落としている・・・犯人は、もう目的を達成したのだ!」
「そ、それじゃ犯人は弦を切ることが目的だったというのか!?・・・そんなばかな!!」
「演奏中のバイオリンの弦を狙って狙撃するなんてっ、不可能だ!!」
「しかし・・・弦は狙撃され切られた。だが、流石にケルンスキーだ。素早く一つ上のD戦を緩めて演奏を続けている!」
(ストーリー)
トーマス・シンプソンがアンコールでバイオリン、バッハの「G線上のアリア」を引いているときに、弦が切れ、演奏が中断された。メディアでも酷評され、その後、レッスン中でも人前で引くと手が震えるようになった。
医者に見せたが、身体に異常はなく、軽いヒステリーや心身症の入り口と言ったところ、しばらくはのんびりしてきれいさっぱり忘れることが一番という。
チャリティ・コンサートが企画されていたが、シンプソンは体調不良のため、代役が立てられた。それがセルゲイ・ケルンスキーでソ連の演奏家だ。シンプソンはソ連の演奏家が演奏することが許せなかった。そこでゴルゴにケルンスキーの演奏中のバイオリンの弦を狙撃してほしいという依頼をした。
ゴルゴは見事狙撃に成功した。しかしケルンスキーは動揺することなく一つ上のD戦を緩めて演奏を続けた。
(解説)
「G線上の狙撃」の一幕である。ゴルゴに仕事を依頼したシンプソンは、演奏中弦が切れてパニックになった。しかしケルンスキーは、アクシデントに対処して演奏を続けた。ゴルゴは弦を切ってくれという仕事だったから、それ以上は何もすることはない。それがシンプソンとケルンスキーを対比させている。
仕事でもトラブルとアクシデントだらけだ。自分の不注意でということもあるが、注意をしていても起きるものだ。しかしそれを恐れず、対処すれば大ごとになることもない。間違った対処をしなければよい。まずはアクシデントが起こったとき、パニックにならず、落ち着いて、その場を平静に保ち、淡々としていることである。
仕事の慣れはこういうとことにも出てくる。
[教訓]
〇仕事に慣れていれば、アクシデントやトラブルが起こっても対処できる。
〇優秀かそうでないかは、アクシデントやトラブルが起きたときにどのように対処すればいいかを知り、行動できることだ。