世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

組織全員にすべての情報を与える必要はない。

「しかし・・二人に電源部は原子炉だと、教えてやるべきだったかも・・・」
「君ならそう知らされて原子炉を背負えるかね!?」
「本国勤務がかかっても・・・やはり嫌ですな・・・しかも原子炉が破損していた場合、被爆の可能性すら十分ある・・・」

「どうしてこれが・・・小型原子炉じゃない・・・と断言できる!?」
「そ、それならそうと知らされたうえで・・・任務に就かせるはずだろうが!!」
「それはどうかな・・・」

(ストーリー)
ゴルゴはモンタナ州の自分が所有する山荘で休暇を取っていた。その近くの森にパラシュート部隊が降りてくるのを遠目で見ていた。

また二人組がクレムリンの指令で、ある機材を運んでいた。そのままカナダを越えるつもりだ。そこにゴルゴがやってきた。二人は道に迷ったので山荘で休ませてほしいとゴルゴに願う。

パラシュート部隊が近づいてくる。ゴルゴはその二人組に、お客さんがアンタらを探してくるから、中身を見せろと言うと、二人組は銃を取り出した。パラシュート部隊は山荘を囲んだ。

部隊が運んでいる原子炉は放射能漏れを起こしていると通告。二人組は上から電源部と説明を受けているという。ゴルゴは、男に対し、地下に武器があると言って、地下室へ原子炉と共に閉じ込めた。女の銃を奪い取り、部隊が囲む外に出た。

ちなみに地下は核シェルターになっている。そしてゴルゴは部隊に対しては発電機を壊されたので内側から開けられないと伝えた。

(解説)
「禍なすもの」の一幕である。前段はKGBの上司が二人の事について語っている台詞。伝えて方がいいのか、伝えない方がいいのかのジレンマである。伝えてしまったら、任務を遂行できない。だから、伝えない方がいいというのが組織の発想であろう。後段はアメリカがKGBの二人に対して、原子炉だと伝えたが、信じない。そこでゴルゴが、組織は全ての事を下っ端に伝えないということを暗に示している。

組織においては、全体像を知っている人は少数の上役でいい。命令、指示する以外の者が知っていると、上の予想しないような行動をとることがある。なまじ情報を伝えない方が、上の言う通りに動くしかなくなる。色々な人に情報を渡すべきではないのだ。

[教訓]
〇上が知っていることを、下に知らせる必要もない。全ての情報を持っていると、余計な詮索をさせ、統一した行動がとれない場合がある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする