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金だけで解決できるのか?

「只見は賄賂の渡し方が不足していたのだ!私は金を惜しまん!」
「心配するな、奴らだってあのカバンの中の札束を見れば、我々がカネになる相手だと分かる。そうすれば、我々に対する態度も変わって、命を取ろうなんて考えはせん!」

(ストーリー)
カンボジアのポル・サル(ポル・ポトであろう)が捕えられ裁判にかけられた。そこでポル・サル派が支配する森林で通行料を支払わなくて済むと思ったら、一般兵は通行料や伐採料を取った。

このような場所に日本の商社村越商事がやってきた。その会社の只見は半年前、この森で消息を絶った。ポル・サルゲリラに殺されたと考えていた。

ゴルゴはジャングルに入った。村越商事もジャングルに入り、ポル・サルゲリラに捕まった。お金もジープも奪われた。さらにゴルゴも捕まる。4人は体に昆虫が好きな樹液を塗られ、明かりを付ければあらゆる害虫が体に襲い掛かってくるという。

実はそのゲリラの中に、死んだと思っていた只見がいた。ゲリラと結託して密輸を行っていた。

ゴルゴはその場から逃亡した。実は只見には妹がいて、ゲリラに兄が殺されたと思い込み、ゴルゴにゲリラの殺害を依頼していた。

只見とゲリラの前にリーダーが現れる。それはフンミン首相(フン・センであろう)の参謀長のランシーであった。フンミンは何も知らず、ポル・サル派の資金管理者でもあった。フンミン、ラナハット、ポル・サルを争わせ、最後は自ら指導者となる計画であった。只見とランシーが山のように積みあがった木材の前で話しているときに、ゴルゴが木材を留めているロープを狙撃、木材が崩れ落ち、ランシーと只見は下敷きになった。しかも只見は依頼人の兄だとゴルゴに言うが、依頼人には兄は死んだとしか聞いていないとその場で射殺した。

(解説)
「略奪の森林」の一幕である。村越商事の社長は、カネで物事を解決しようと考えている。人種である。カネで買えない物はない。これを根幹から否定するほど確信のある理論武装はできない。仮に金で買おうとすると、膨大なほどの金がかかるということだ。只見という男が、時間をかけて信頼を獲得していたわけで、相当、ポル・サル派の資金管理者を儲けさせていた。そこにトランク一個で現れても、日本のルートは只見に任せると思っている以上、よほどの金を渡さない限りは、彼らの思ったシナリオにはならない。つまり交渉すら至らない。ただ、只見のような野心家を雇いきれるかというと難しい。案外、村越商事はこのあとカンボジアルートを築けたかもしれない。決して村越商事の社長のような考え方がうまくいかないとは思わない。只見が作ってきた信頼と実績を上回るお金を準備できなかっただけだ。

確かに金で解決できるものも多いけれど、金だけで解決するためには法外な金が要る。それを解決するのが、時間をかけて作った信用と言える。それは実績でもある。実績がなければ信用は生まれない。期待でも信用にはつながらない。

[教訓]
〇金で解決するならば、膨大なカネが必要。そうでなければ、コツコツと実績を上げ、信用を高めよう。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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