世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

人を魅了するのは知識ではなく、技術でもなく、ハート

「咄嗟のコメントで見事に勘所を突いてきます。」

(ストーリー)
プリンセス・ダイアン(ダイアナであろう)の発言は、イギリスの保守的階層に気の障ることが多い。しかしそれ以外の人にはイギリスの潔さや正義感として伝わってくる。

MI6のガードナーはゴルゴに、エジプトの大富豪ナディ・アルムンド(ドディ・アルファイドであろう)の消去だ。しかも彼はプリンセス・ダイアンの恋人でもあった。そして二人が国外旅行中にという条件付きでもあり、パパラッチにより狙撃の瞬間を撮られてしまう危険性がある。

ダイアンとアルムンドのパリ滞在中に、パパラッチは彼らが乗る車をバイクで追った。ゴルゴもそれを追う。ダイアンの暗殺者が別におり、車のドライバーにアルコールを注射し反応速度を遅らせ、ドライバーは自覚のないまま酔っ払い運転をさせられた。ゴルゴはアルムンドの狙撃には成功したが、ダイアンの乗っている車は交通事故を起こす。ゴルゴはその暗殺者を追い、狙撃する。

その後、MI6のガードナーは新聞社のオーナーである社主ヘイワースの下を訪れる。アルムンドはヘイワースが保有するメディアの買収を企んでおり、ダイアンとアルムンドの暗殺を思いつき、暗殺者に支持を出した。ガードナーは利用された。そのためヘイワースに有罪を申し渡し、ヘイワースはゴルゴによって射殺された。

イギリスはプリンセス・ダイアンの喪に服した。

(解説)
「イングリッシュローズ」の一幕である。プリンセス・ダイアナの事故の真相はわからないままであり、一部では陰謀論さえささやかれている。イギリスの保守層のメンバーが会話しているときに、彼女を表した台詞である。ダイアナはあの美貌をしてさらにイギリス王家に嫁ぐという誰もが羨む幸せの形、だったはすだが、心は満たされていなかったと思われる。

ダイアナに「私はルールブックには従いません。頭ではなく心に従う。」という名言がある。ルールブック、つまり教科書、や頭ではなく、感性で訴えかける、だから咄嗟のコメントで勘所を突くことが可能なのであろう。当然、クレバーであることも確かだが。

演説等で魅力を感じるのは、どれだけ知的なことを話したかではなく、ためになることを聞かされたでもなく、どれだけ心を動かされたかではないか。そんな意味では、経営者が顧客相手に、あるいは従業員相手に、教科書に書いてあった言葉なんかよりも、自分の心の中から出てきた感情的な一言の方が、人の心を打つ。それができるのは、経営者が大いに苦しみ、大いに悩み、それを克服してきたからである。

もう一つダイアナの言葉で「苦しみのある所にいたい。私にできることをするために。」というものがある。苦しみを味わった人間のみが、苦しんでいる人の気持ちがわかる。対して苦しんでいない者が、管理者層にいる現代って・・・。

[教訓]
〇苦しみ、悩みそれを乗り越えてきた経営者の心からの言葉でしか、人を魅了できない。平凡な生き方をしてきた人間が何を言っても、人の心に響く言葉は発することはできない。悩め、苦しめ、多くの人に喜びを与える存在になるために。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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