「彼らを乗せるようになっちゃ、俺もおしまいだと思うんですがね・・・しょうがありませんや!」
「す、すぐにこの人たちを降ろして!おカネは出します!この人たちの席をみんな、私が買いましょう!それなら文句は・・・」
(ストーリー)
アフリカのとある共和国において、天候悪化で旅客機が飛ばなかった。しかしこの悪天候の中でも民間のエアタクシー(飛行機)が運行するという。そのときに、ゴルゴの他、白人女性と4名の黒人(一人が子供)でエアタクシーが飛びたつ。不幸にもその黒人たちはハイジャッカーだった。
運転手は脅され、エアタクシーが下から高射砲によって狙撃され、運転手は死亡。やむを得ずゴルゴが飛行機を操縦士、近くに着陸した。
それと同時に、共和国の将軍が捕らわれの身となっており、死刑執行がなされようとしていた。
(解説)
「飢餓共和国(前編)」の一幕である。人種差別であるが、白人女性は黒人と一緒にエアタクシーに乗るのがイヤだったから、何でもお金で解決しようとした。ここでは黒人の席を買おうとしたということになる。エアタクシーのパイロットは白人のようだが、お金になるのであればだれでも乗せようという考え方である。結果として、ハイジャッカーだったから、白人女性の言うことを聞いておいた方が良かったということになる。
人種差別的に顧客を選ぶのは倫理的にどうかとは思うが、これからは顧客を業者が選ぶ時代になってきているといえる。どんな顧客でも相手にしていては、正直、コストがかかることになる。従業員を抱えると、最低限収入を上げなければならなくなる。その結果、経営者はどんな顧客でもお金を取れる客からは取るという発想になってしまう。そして、従業員はどんな顧客も相手にしなければならない。経営者に恨み節を言ったところで、従業員が給料を戴くためなのだ。顧客のえり好みはしていられない。
そうなると段々経営者は顧客を選ぶために、従業員を無理に雇わないという選択にもなってくるのかもしれない。最適な会社規模ということを意識する時代になってくるだろう。
[教訓]
〇経営者は客を選べ。従業員のために無理に客を入れるくらいなら、従業員すらも雇うな。