「ほ、本当に・・・あんたじゃあない、というのか!?先日、私たちがパリへ出たとき、私たちの姿を見かけ、ホテルに電話をしてきて、妻の過去をネタに・・・そのうちこの町に小遣いをもらいに来る、と私たちを脅迫した、妻の客だった男だというのは・・・」
「いや・・・おれじゃあない・・・」
(ストーリー)
フランスのアングレーム市にゴルゴは保養にやってきた。泊まったホテルのバーで、町長バルドー氏の結婚3周年記念を開催していた。バルドー氏の妻ダニエルがゴルゴを見かけ、夫であるバルドー氏に告げると、ゴルゴがダニエルをゆすりに来たと勘違いして、ゴルゴに刺客を送った。
ゴルゴは刺客から狙われるが撃退、依頼者の下へ案内させた。ゴルゴがなぜ自分を狙うのか、バルドーに尋ねると、ダニエルは以前売春婦家業から抜けるためにプロモーターを射殺してしまった。ゴルゴはそれを知っていたが「俺を巻き込まないことだ」と一言告げた。ダニエルをゆすりに来たのは当然ゴルゴ以外の他人であった。
ゴルゴはこれ以上かまわなければ許すとした。しかし刺客の生き残りが、依頼人が契約をやめようと、暗殺者としてのプライドで、ゴルゴを倒したいと思うようになり、依頼人とは関係なくゴルゴを追った。ダニエルはその刺客を止めたが、聞かず、刺客ともどもゴルゴに殺された(しかしダニエルは事故死)。
(解説)
「夜は消えず」の一幕である。余談だが、アングレームは国際漫画祭が開催され、漫画界のカンヌと呼ばれいている。過去、水木しげるさんが最優秀賞を取ったことがある。
さて、殺されかけても、理由を聞いたら許すとは優しいゴルゴだ。しかし依頼の請負人が暴走してしまって、顧客が不幸に陥った。ゴルゴが相手かどうかはともかく、勇み足をせずにゆすっているものが誰なのかを確認すべきだろう。少なからず、勇み足で、ゴルゴをゆすりに来た男と勘違いして、それを消すために業者を雇ってしまったのはいただけない。
顧客側でも最低限、業者に依頼する前に調査しておくべきことを調査するという姿勢を持たなければ、業者も偉い迷惑である。
[教訓]
〇顧客だからと言って、業者に丸投げするな。最低限の事はしろ。それがビジネスのマナーである。今のデフレ状況が顧客を甘やかしたツケが来ている。働き方改革は顧客と業者の関係を見直すきっかけになることを期待する。