「どうだ!?どうだった、ゴルゴ13!!ヤム・ジョンガは始末できたのか!?」
「俺の帰ってきたことが、その答えになっているはずだが・・・」
「気の毒だが、あんたの肝をもらって・・・イジ・アミン大統領閣下の晩餐に供させてもらうのだ!出世のためには、どんなことをしても大統領閣下を喜ばせねば、な!・・・」
「その前に・・・ヤム・ジョンガを始末した証拠の品を改めなくていいのか・・・?」
(ストーリー)
アフリカ統一機構の会議において、エチオピアの大統領アミンが、アメリカとシオニストへの反撃を宣言した。
ゴルゴはウガンダで、ツェツェバエにやられて洞窟にいたところ、地元の民に救われた。しかしゴルゴがいた洞窟の中から武器が見つかり、村の男たちから拷問された。その村は反アミン組織の拠点であった。ゴルゴはその村のヤム・ジョンガを殺害するために送られた。
ヤムは拷問をしてもゴルゴが吐かない銃殺刑を執行しようとした。ゴルゴは自分を処刑する銃に仕掛けを施して置き、引き金を引いた執行官が自爆した。
ヤム・ジョンガ殺害を依頼してきた兵士は、勇者の肝を食べると勇者の持つ活力が注入されるため、ゴルゴを殺そうとした。ゴルゴはヤム・ジョンガを始末した証拠を調べるべきではないかと、舟の中のバスケットを取って来させた。そこからツェツェバエが出てきて、兵士を襲った。
(解説)
「独裁者の晩餐」の一幕である。ゴルゴは自分の成果を明確には答えていない。特にゴルゴのような仕事では、依頼者が最後に自分を裏切ることもある。通常のビジネスではあまり起きえないが、全くないわけではない。例えば、手付+成功報酬というようなビジネス形態は多いが、成功して報酬を払ってもらえないケースはありうる。上記の場合、「ヤム・ジョンガは始末できたのか」という問いに「始末した」と答えたら、その場で射殺されていたかもしれない。しかし確実に始末できたとは、死体を見るか、あるいは何らかのニュースで伝え聞かなければわからないことではある。それで、その証拠を見せようと言ったわけだ。
ビジネスの制度設計において、手付+成功報酬とした場合、お客のリスクを自分たちが負ってしまうと、正直儲からないビジネスにしかならない。また、成功報酬を厚くしてしまうと、お客からの回収リスクを負ってしまう。それでも安くしないとお客は来ない、とするならば、そういうビジネスには入り込まない方がよかろう。
お客さまも全員いい人とも限らない。自分たちが手間をかけた分だけは確実に回収する。そんな考え方はどこかで持っておいた方がよかろう。ダメ顧客から身を守ることも重要だ。顧客は神様なんかじゃない。
[教訓]
〇最初から完全に成果を見せない方がいいときもある。
〇成功報酬バカは敬遠しろ。