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全てはコントロール下に置け

「・・・しかし、醜いアヒルの子を白鳥にしてはなりません・・・手の届かないところへ飛びだたれてからでは遅い!」

(ストーリー)
日本の四菱銀行と東亜銀行の対等合併が発表された(東京三菱というイメージだろう。ここではまだUFJは組み込まれていない)。四菱の山城頭取、東亜の坂本頭取が記者会見で挨拶をした。アメリカでは日本の銀行の合併に警戒をした。

元日銀総裁松下は財務次官と自宅で話をした。坂本は使い方を誤ればこちらが切れるくらいの人材であると。そして、日本は技術力ではなく、金融システムで成長してきた。官民の両輪が連携して経済大国日本を支えているのだと松下は語った。

三友銀行の神田は、坂本は初代頭取の椅子と引き換えに東亜を四菱に売り渡したと、そして四菱に合併解消を迫るよう、東亜の高梨副頭取と上田専務を呼び出して、説得を試みた。

東亜の取締役会で緊急動議があり、神田の言う通り、坂本頭取の解任決議を持ちだした。しかし先日の三友銀行の神田頭取と高梨副頭取と上田専務の会合の写真を見せて、どちらが東亜を売り渡しているか、と取締役会で問いかけた。

四菱グループの総帥志村は、三友の神田頭取の力を借りて、高梨副頭取を追放し、身内の大掃除を行った。元々東亜を吸収することは四菱の二代目当主の念願だったという。

ゴルゴが坂本頭取の乗る車を狙撃し、事故死に見せかけた。それは四菱グループの総帥の志村からの依頼であった。しかもアメリカが坂本暗殺のために刺客を送り込んできたが、その刺客を予めゴルゴに始末させていたのだ。

(解説)
「BEST BANK」の一幕である。四菱グループ総帥の志村が、坂本頭取を警戒し、恐らく自分のコントロール下に置けないと判断したに違いないが、元日銀総裁の松下に対して、銀行の合併への尽力に感謝の電話を掛けたときの会話である。常に自分の下で働く人間は、醜いアヒルの子でいさせればいい、非常に傲慢な考え方であると言えよう。しかし社会の仕組みは現実的にそのようになっているのではあるが、権力を持つ人間の根本的な発想である。自分の屍を超えさせる前に、越えようとする者を屍にする。

むしろ醜いアヒルの子を白鳥の育ててやるのが、会社の経営陣の役割であろう。自社にいなくてもいいのだ。どこかで頑張ってくれれば。その用は人材の輩出機関が、これからの日本経済を支える礎になっていくのであろう。新人類は、古臭い権力構造にとらわれないように、醜いアヒルの子を白鳥に育て、巣立たせるようにしていこうではないか。

[教訓]
〇日本の活力は、醜いアヒルの子をいかに白鳥にして巣立たせるかにかかっている。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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