「あ、あんた俺を助けに・・・戻って来てくれたのか!?・・・」
「女の首にかかっているペンダントは男物だ・・・新しさから見ておそらく、アンタの兄貴のものだろう・・・それを見たとき、アンタの兄貴がどうなったか、そして俺たちがどうなるか察知できた・・・俺に牙を向けた奴は殺す・・・殺される前にな・・・それだけだ」
(ストーリー)
FBIがヘリでゴルゴを追っていた。国道91号線沿いを走る車が一台あり、デスバレーへ向かうという。デスバレーは56.7度という世界最高気温が記録された場所でもある。
兄がデスバレーから帰ってこないため、弟が探しに来た。谷に入ると兄の水筒が見つかった。テントで滞在していると、インディアンが近づいてきて、兄が乗っていた車のある所に連れていかれた。そこはインディアンの集落になっていた。そこにFBIから指名手配中のゴルゴもやってきた。
翌日、兄を探しに出かけるときにインディアンに水筒と食料を渡された。しかし中には砂や石ころしか入っていなかった。しかも道に迷ったところにインディアンが襲ってきた。この土地に入って金を盗んでいく奴が許せないというのだ。間一髪、ゴルゴもやってきて、インディアンを射殺していった。
(解説)
「デス・バレイ」の一幕である。インディアンを射殺した後に、助けられた弟が、ゴルゴに問いかけ、それに返答したゴルゴの台詞である。
女性のペンダントをみただけで、それが女性のものでなく、どれくらい前に女性が手にしたものかを判断し、しかも弟が兄を探しにやってきたことを鑑みて、インディアンからその兄が殺されたことを察知した。その兄がインディアンを殺そうとするわけもなく、単に金を探しに来たとすれば、その事でインディアンから殺されたと推理をした。そして自分にも降りかかる災難を予期したのである。
インディアンにバレずに夜に出たはずなのだが、なぜか夕方までその場にとどまっていたということは、ゴルゴですらも方向感覚を失うような場所だったということなのだろう。
ちょっとしたことを観察し、それらから創造力を膨らます、これはビジネスにも必要な思考回路である。
[教訓]
〇観察せよ、創造力を高めよ、全ての事を推理せよ。