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需給バランスを有利に崩し、コントロールせよ

「大衆が入手困難な毛主席の肖像画を強く求めるという行為は、つまり毛主席の、カリスマ性を求めていることに他ならない!そして、その事をこそ恐れねばならんのだ!ではどうすればいい・・・?逆に大量に与えてやればいい!誰もが安易に入手できるなら、肖像画は神通力を失いブロマイド的な意味しか持たなくなる・・・大量に複製された肖像画は、安価に、等分に大衆に配られていく・・・カリスマという特別性が意味を失い、大量生産大量消費が価値を持つ社会・・・すなわち・・・」
「資本主義社会、というわけですね・・・」

(ストーリー)
ゴルゴは今は亡き毛沢東を狙撃してくれと依頼される。それは毛の肖像画運動であり、毛沢東のカリスマを蘇らせ、北京の権威を失墜されることが狙いである。これを陰で仕掛けている人物が保守派の重鎮老青文である。ただ標的はあくまでも毛沢東の肖像画という。

ゴルゴはまず老の部屋の花瓶を狙撃した。そしてそれは北京の警告であると老は取る。しかも部屋の毛沢東の肖像画が狙撃されている。

大衆が入手困難な毛主席の肖像画を強く求めるのは、カリスマ性を求めていることだ。逆に大量に与えれば、肖像画は神通力を失う。

(解説)
「邯鄲の夢」の一幕である。今回は依頼人とゴルゴの共同作業であった。ゴルゴは老青文に対する警告の意味での狙撃しかしなかった。止めを刺したのは、依頼人の「逆に大量にばらまけ」である。日本ではすでに大量生産大量消費というステージを党の昔に越してしまった。

大量生産大量消費のメリットとは、どんなに高いものでも、次第に安くなっていく現象であって、貧乏人でも色々なものが変えるようになっていく、時代は古いが、テレビ、冷蔵庫、洗濯機という三種の神器は最初はお金持ちしか買えなかったが、段々貧乏人も手に入れることができるようになっていく。大量生産することで原価が落ちるからだ。しかし大量生産には大量消費も必要になる。

カリスマ性があるうちは、非常に高い値段が付く。逆にそのカリスマ性を維持するために市場にモノを出さないようにして価格統制を行っているものがある。その一つが「ダイヤモンド」である。

大量に世に出すと、売り上げは伸びるが一個当たりの単価は下げざるを得ない。だからあまり世に出さない方が一個当たりの単価は下がらない、しかし売り上げが伸びない。どちらを目指すかは経営者の判断による。どちらが正しいとか間違っているとかはない。

[教訓]
〇あまりマーケットの放出しすぎない方が価格は高値で安定する。それも経営戦略である。
〇わざわざ需給バランスを崩し、需要に比して供給を少なくすれば、価格は高値で安置する。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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