「指揮者の心拍数は最も大きく体を動かして指揮棒を振ったときに上昇するわけではないそうだ。静かな曲てあっても指揮者が最も愛する箇所、感動する箇所でピークに達する。その時、指揮者の神経は、全て曲に注がれ、隣で爆弾が爆発しても・・・気づかないそうだ・・・」
(ストーリー)
突如ヴォルフ・ザイフェルトの来日は中止された。一流の演奏家ほど体調に影響される。金額に見合う音楽を提供できないという判断がなされた。その代わりにグスタフ・リヒターが行うことになった。
ハロルド・ハーバード・エージェントとルロイ・オッペンハイマーの契約で、オッペンハイマーは保留した。それは、彼の契約は、CIAとしてのスパイ活動とセットであったからだ。冷戦も終わったため、スパイ活動からは手を引きたかったのだ。
ゴルゴは演奏中に屋根から、狙撃をした。その音をザウバーが聞いていた。ゴルゴに銃声が聞こえなかったかと尋ねる。ゴルゴはそんな音は聞かなかったという。また、ザウバーはハロルドとオッペンハイマーの会話も壁越しに聞いており、オッペンハイマーがスパイであることをマスコミに暴露した。オッペンハイマーは演奏家をやめざるを得なくなった。
どんな音でも聞き分ける耳を持つザウバー。オーケストラの演奏中でも拳銃の弾丸を装填する音も聞き分けられるという。オッペンハイマーはゴルゴを雇ってザウバーを射殺する。識者の心拍数は、静かな曲てあっても識者が最も愛する箇所、感動する箇所でピークに達し、その時指揮官の神経は全て局に注がれ、隣で爆発があっても気づかないという。ゴルゴはその時に狙撃したのだ。
(解説)
「震えるタクト」の一幕である。ザウバーを狙撃しようとしていたのはゴルゴだけではなく、二人のCIAも狙っていたのが、ゴルゴに先にやられてしまった。そこで二人で特殊能力を持つザウバーをどのように狙撃したか話していた。
隣で爆弾が爆発してもわからない位に、集中できるものは、その人が最も好きなことではないか。これは指揮者に限った話ではない。自分が感動を思えることをやれば、一日中でも、一年中でもずっとそのことをやり続けられるだろう。とにかく人よりもうまくできるようになりたければ、集中して、その事が継続してできるかどうかである。で、あれば、自分の好きでもないことは続かない。少しは苦労するかもしれないが、好きなことをやった方がいい。好きなことで仕事をしてもロクなことがないという側面もあるが、ほとんどの場合、その人がやり切れていない、時間をかけ切れていない。実はそれほど好きでもないのだと思う。
[教訓]
〇好きなことであれば、集中できる。成功に至る者は、集中して、継続的に時間をかけられたものだ。だから、好きなことをやった方がいいだろう。