「深追いは奴の思うつぼだな」
(ストーリー)
アラスカのある島はアメリカの諜報基地だが、部員が消息を絶った。KGBの暗殺者「隼のイエス」が関わっているのではという疑いが浮上し、イエスを殺害してくれとCIAがゴルゴに依頼した。
ゴルゴは犬ぞりで基地に近づいたが、犬ぞりに乗せていたアザラシがイエスに撃たれた。基地のある部屋にゴルゴがたどり着いて中で隠れていたところ、イエスが暖房用の重油タンクからのパイプを止め、寒さに耐えかねて、外に暖房パイプを開きに出てくるところを狙撃しようとしているとゴルゴは読んだ。
別の部屋にゴルゴが侵入したが、その部屋に時限爆弾が仕掛けられていた。爆弾を爆破させ、ゴルゴの死体を確かめにやって来ると踏み、ゴルゴが閃光弾であたりを明るくしたときに、狙撃しようとしていたイエスを発見、ゴルゴが狙撃した。
(解説)
「アラスカ工作員」の一幕である。寒冷地であれば、相手の方が慣れているということもあり、背中を見せた後を追えば優位に立てるが、ゴルゴはそうはしなかった。その時のゴルゴの独り言である。
一度お金をかけると、その投資を取り戻そうとして、より多くの費用をかけてしまうことがある。しかし、ビジネスにおいて一番大切なことは、深追いをしないことだ。一方では簡単にあきらめないこと、他方では深追いをしないこと、つまり簡単にはあきらめないことという加減が非常に難しい。これ以上やってもダメだというのは感覚的であって、それを計量化できるものでもないし、その人のリスク許容度にも依存する。多少の蓄えでもあれば、少しはお金をかけて様子を見ることもできるだろうが、ダメなことにいつまでも関わっていることの方が、費用が無駄というよりも時間が無駄である。
時間が無駄かどうか、改善策があるかどうかで判断するしかない。
[教訓]
〇簡単にあきらめるな、だが深追いはするな、その感覚を掴め。