「突入は、明日未明だ!いいか、覚えておけ・・・迷うな!そして躊躇するな!相手を確実に仕留めなければ死ぬ前の機関銃の一連射で乗客がなぎ倒され、手榴弾のピンを引き抜く余裕があれば、機体を吹き飛ばされるのだ!そして・・・お前たちも死ぬ!忘れるなっ一撃で・・・一撃で仕留めろっ!!」
(ストーリー)
息子のボビーを殺したバイディアが、インドに送還される。バイディアはインドでは絶大な力を持ち、インドの裁判では罪をあがなうだけの量刑は食らわない。そこでゴルゴにバイディアを殺害してほしいという依頼があった。
さて、飛行機から降りたところを殺害しようとしていたら、その飛行機がハイジャックにあって、計画を変更せざるを得なかった。そのハイジャックに対処するため、インドの国家保安隊(NGS)は、突入を計画した。ゴルゴはNGSのメンバーの一人になり、突入。煙を機内に巻き、ハイジャッカーがひるんでいるところを乗り込んだ。ゴルゴは、バイディアを殺害した。テロリストは全員排除、負傷22人、そして乗客乗員の死亡が1名であった。ある程度の犠牲は仕方がないとリーダーは語った。
(解説)
「未明の標的」の一幕である。NGSのリーダーがメンバーに語った台詞だ。
リーダーはスタッフに対して、迷っているところを見せてはならない。リーダーの迷いは、スタッフに伝播する。リーダーがビビっていると、スタッフはビビる。リーダーが浮足立っているとスタッフも浮足立つ。リーダーの気持ちは、スタッフの鏡のようなものだ。
激の飛ばし方もあるだろう。NGSは自分の命も曝すわけだから、気が引き締まっていると思われる。その点、普通のビジネスのサラリーマンとは大違いだ。ほとんどの場合、命に別条がない仕事ばかりである。スタッフに緊張感を持たせ、ミスは許されない会社の雰囲気を熟成すべきであろう。結果が出なければ降格、減給はやむなし。特に管理職であればなおさらである。スタッフに対しては、そこまでしなくても、緊張感を共有する雰囲気づくりは必要である。
ビジネスに躊躇もいけない。やるならやる、やらないならやらない。当然予算とか、損害を負った場合の、リスク許容量はあるとして、とにかくやり切るという気持ちが必要だ。中途半端が一番いけない。
[教訓]
〇リーダーは迷ってはいけない。ビビってもいけない。
〇スタッフにも緊張感を共有させ、檄を飛ばせ。リーダーの気合空回りではいけない。
〇ビジネスは躊躇するな。中途半端にやるな。やることを徹底せよ。