「クリューガー兄弟に俺をカザリアンと思わせて殺させるつもりだったのだろうが・・・あんたは一つ、計算に入れるのを忘れていたよ・・・そうなると、相手が素人だと思ってしまうということだ・・・奴らが、車の前に飛び出してきたとき、その襲い方で、俺をプロとして襲ってきたのじゃあないと分かった・・・俺の反撃をみたときの奴らのおどろきようはなかった・・・」
(ストーリー)
世界のダイヤモンドは、ユダヤのシンジケートの支配下にあると言われている。要するに価格の値崩れが起きないように、供給側をコントロールしている。そのため、密売組織というものが暗躍している。作品においては実名は出しづらいので、ここでは国際ダイヤモンド保安機構と不正ダイヤモンドバイヤーという組織名で登場している。
今回は、不正ダイヤモンドバイヤーが、そのボス、アドリン・B・カザリアンを狙おうとしている国際ダイヤモンド保安機構の暗殺者クリューガー兄弟を殺害するというゴルゴへの依頼である。依頼者からすれば、カザリアンの護衛であるが、ゴルゴの仕事は殺害であって、護衛任務は引き受けない。
カザリアンに会いに行くときに、ゴルゴが執事と共にクリューガー兄弟に襲われ、返り討ち。ここで依頼された仕事自体は終了した。実は、クリューガー兄弟にゴルゴの写真をカザリアンだとして情報を漏らしたのがカザリアン本人で、それに化けた執事であった。
カザリアンは以前、ゴルゴに狙撃された娘の父親で、ゴルゴに復讐をするつもりだったが、あっけなく返り討ちにされた。
(解説)
「国際ダイヤモンド保安機構」の一幕である。業者はプロである。そして顧客はアマチュアである。アマだからプロにお金を払う。中には、それなりのプロだが、もっとプロなことを持っているために、簡単な仕事であれば、他人に任せてしまう人もいる。顧客の中には油断してはならないプロも中にはいるということだ。
アマチュアだからと言って、舐めてはならない。プロなりの仕事をしていれば、お客様がお客様を呼んで来ることだってある。だから、相手がアマチュアだからと言って手を抜いてはいけない。中に紛れたプロから、返り討ちにされることだってある。プロなんだからプロらしく仕事をしろと。
[教訓]
〇顧客がアマチュアであるとして気を抜くな。中にはプロが紛れていることもある。