「部屋が二つあるとき、俺は銃を二つ、それぞれの部屋に用意してあるんだ。」
「慌てた奴の前には死しか待っていない・・・これがプロの掟だ。」
(ストーリー)
毒素兵器を開発していたホイットマン博士が何者かに暗殺された。CIAはソ連の手の者と判断。この毒素兵器の廃棄を計画し、その護衛をゴルゴに依頼した。CIAは金塊輸送の偽装の下にある場所でその毒素兵器を廃棄。その場所まで装甲車で運ぶことにした。
そこに勘違いした犯罪者集団がいて、装甲車を襲って、そこに積まれた金塊を強奪しようとたくらんだ。ゴルゴからその情報を突き止めるため、ある女を売春婦としてゴルゴの部屋に潜入させた。しかしその正体をゴルゴが暴き、売春婦と刺客を射殺した。
(解説)
「価値なき値(前編)」の一幕である。売春婦がゴルゴの銃を玉が出ないように工作したが、ゴルゴはリスクを分散させ、銃を複数それぞれの部屋に隠しておいた。
刺客が殺され、メンバーは慌てふためくが、ボスが「慌てた奴には死しか待っていない」と諭す。
通常、一つの仕事を完全にこなすのが良いように思えるが、ビジネスは一つの事だけを一つの方法で行っていると、その一つの事が上手くいかなくなったらどうにもならなくなる。そのため、最低でも複数のビジネスを並行させておくのが良い。また、一つのビジネスに拘る場合には、せめて複数のやり方をやってみるのが良い。いわゆるリスク分散というものだ。
また、慌てるとろくなことがない。慌てると失敗することが多い。だから、何かトラブルが起こったときにもまず慌てずに冷静に対処した方が、トラブルの解決になる。慌ててすぐさま行動に移すと、火傷の恐れもある。
[教訓]
〇ビジネスはリスク分散をして置け。複数のビジネスを走らせるか。一つのビジネスを複数の方法でこなせ。一つがダメになっても慌てずに済む。
〇どんなときにも慌てるな。まず落ち着け。慌てるとトラブルがさらに大きくなる。そもそも慌てる場面を作らないよう準備せよ。