「さあ商売商売!あんな金離れのいい客何てのは少ないんだから!」
(ストーリー)
CIAがビサンテ・ヨーク博士の暗殺指令を受けた刺客が悉く殺された。しかしヨーク博士はそれほどの技術がないため、身近に暗殺者を抱えているのではないかと思われた。ゴルゴの仕事はヨーク博士とボディガードの暗殺者を殺害することである。
依頼者の部下がゴルゴのサポートを務めていたが、その部下を付けてきた奴がいた。その二人はバスコス夫人の部下である。ゴルゴはバスコス夫人に呼ばれて家を訪れた。バスコス夫人の夫はビサンテに殺され、ビサンテを敵として追っていた。
バスコス夫人はゴルゴとは別にビサンテの元を訪れた。バスコス夫人はビサンテのボディガードを射殺した。そのときにペルーをマグニチュード7.8の地震が襲い、ビサンテは建物に潰された。
(解説)
「激怒の大地」の一幕である。激怒の大地とは地震の事を云う。さて、飼っていたロバが一場の食べ物を食べてしまって、市場の人間に損害を賠償しろと迫られ、そこを通りかかったゴルゴが、代金を支払ってあげて助けた兄弟がいた。その姉が多少ゴルゴに気があったようだが、弟(実はボディガードの暗殺者)が「ああいうタイプの男は、女を不幸にするタイプだ!」と言ったのに対して、姉が答えた台詞である。
気前のいい顧客は貴重である。気前がいい顧客は財布のひもが緩いのではない。市場価格がどうかではなく、お金を出すときに出すという考え方なのだ。こういうタイプは仕事の成功者が多い。それは自分の中で、マーケット価値というものをもっているからであり、お金そのモノには大して価値を考えていないということもできる。仕事のできる人間は自分なりの尺度を持っている。また、いくらでもお金が稼げるため、無駄遣いしても惜しくはない。仕事のできる人を顧客に据え付けた方がお互いのためなのだ。もちろんこのような人は別に寄付でお金をくれるわけではないから、見る目がシビアである。しかし、自分を確実に成長させてくれるタイプでもある。
[教訓]
〇これだという顧客はこっちからしつこく追っていけ。価値のある顧客はしつこく追うだけの価値がある。