「おれは、持って回った話は嫌いだ・・・浄財も悪銭もカネの本質事態には変わりはない・・・」
(ストーリー)
社会の現実は、非暴力であるがゆえに暴力に倒されるということである。今回の依頼は、非暴力を標榜していたクイン牧師の暗殺を陰で操った男であり、人種差別主義者のリーダーの殺害。依頼人はその正体を知らず、その正体を知っているのは、ジミー・ホーキンスという黒人で、ベトナムからの帰還兵であるとのことだった。
そして、現在ニューヨークで起こっている警察襲撃事件を陰で操っている真犯人に、このホーキンスを仕立てるという計画も進んでいた。ゴルゴがホーキンスに接触し、分署長のキンバリーがホーキンスの口を封じるという情報を得た。たまたまホーキンスを射殺にやってきたキンバリー。ゴルゴはキンバリーにつかまるが、真犯人をキンバリーを拷問することで吐かせる。
そしてゴルゴは次期州知事候補スコット・パーカーを殺害する。依頼人は朝の新聞で、パーカーが殺されたニュースを見るのだった。
(解説)
「誕生日に白豚を殺せ!!」の一幕である。黒人の神父が浄財からゴルゴへ依頼するための報酬を集めたと説明したときに、要するに金にキレイも汚いもあるか、と言った台詞。
近年、マネーロンダリングという名目で、資金の移動が困難になったり、例えば銀行口座の開設が困難になっている。言っては何だが、カネに汚いもキレイもない。合法的な取引の中で、どれだけ多くの被害者が出ているのか。かんぽ保険で受け取った金はきれいなのか?証券会社が暗黙に株価が上がるようなことを示したから、つい購入してしまって証券会社に入金された金はきれいなのか?実態は不動産投資なのにフラット35を使って融資がされ、そのお金で購入した不動産代金はきれいなのか?結果が出ないくせに客を騙して、広告媒体料を支払わせたその料金の受領は綺麗なのか。軍需産業で兵器を合法的に販売している奴らの売上は綺麗なのか?全部汚いに決まっている。
ゴルゴのやっていることは犯罪だ。だから汚い金と言ってしまえばそれっきりだが、正直汚いもキレイもあるかと思う。カネに使用用途が書かれるわけではない。顧客を騙したり、大げさに言って儲けた金は全て汚いと言い切れる。だから、事業家は少なからず、きれいなお金の稼ぎ方を貫きたいものだ。
[教訓]
〇これって大丈夫なのかと思うようなお金の稼ぎ方は一ミリもするな。
〇意識としてキレイだと思われるお金の稼ぎ方をせよ。