「それにしても・・・まるでスターウォーズだね、その銃は・・・」
「いや・・・この種の兵器は既にフォークランドで実戦使用されて、アルゼンチンの空軍パイロットが失明したという噂もある・・・事実は常に想像より先行しているということだな・・・」
(ストーリー)
カルガリーでゴルゴを狙う男タップス。目を失明されるレーザーガンを持っている。ゴルゴはホテルから出てきたところをタップスは狙うが、ゴルゴは中々顔を向けようとしない。そこに情報屋マックスがゴルゴの下に現れた。しかしマックスがあたりを見渡した瞬間、レーザーガンがマックスの目を失明させた。
ゴルゴはバスに乗る。タップスはゴルゴの乗るバスをつけた。このレーザーは撃っても何も見えないし、痛くも熱くもない。しかし正面以外の角度なら網膜が破壊されることはない。レーザーは反射させるものさえなければ直進する。ねらったまま打てば標的に当たる。それに対してライフルは、風が吹けば流される。
ゴルゴは森の中に入った。それをタップスは追う。一度ゴルゴがタップスの方を向いたため、引き金を引くが、ゴルゴはレーザーすらも感じた。
つり橋の上で、わざとゴルゴはつり橋を揺らし、二人とも落下。川の下は霧が立ち込めていた。霧では乱反射をしてレーザーはまっすぐには進まない。ゴルゴは霧の中でタップスを射殺した。
(解説)
「乳白の闇」の一幕である。ゴルゴをレーザーガンで狙うタップスと、車に同乗した仲間の会話である。
我々は開示された情報を基に想像するしかない。従って、我々の想像は、事実に遅れていると考えられる。自分が画期的だと思ったことは、既にあるものがほとんどであって、今までにないものは、既に収益が確保できないと判明したものである。実は我々は社会のことなどわかっていない。自分が伝え聞いたものが全てであり、それ以外のことについては、自分が創造したと思ってしまう。タップスの言うように、「事実は我々の想像よりも先に進んでいる」のが真実である。加えて言えば、「事実はあなたが創造した(と思い込んでいる)モノよりも先に進んでいる」といって間違いはない。
[教訓]
〇事実は我々の想像よりも先に進んでいる。事実はあなたが創造した(と思い込んでいる)モノよりも先に進んでいる。