「心配することはないよ。彼の方では、我々の正体がわからないのだから・・・それに、我々には情報通信網という、強い味方がある・・・」
「しかし、あなたをそこまで追い詰める情報力を持つ組織があるとは・・・米国CIAやKGB等は世界的な情報網を持ってはいるが、情報収集力の強い地域もあれば、弱い地域もある・・・ロックフェラー等の財閥系や私たち客家人の情報網とて同様です・・・」
「陳門会のことだ、選りすぐりの同志を、送り込んだ、はずだろう?」
「ふふふ、それはまあ・・・」
(ストーリー)
ゴルゴが狙撃をする前に、その車は大破した。依頼人のところに戻り、報酬は受け取れないと伝えた。次の依頼人は依頼する前にキャンセルをした。テレビで「讃美歌13番の予定でしたが、都合によりキャンセル致します」と放送された。極秘に依頼人のところに会いに来たが、キャンセルしなければ依頼人自体の命がないという。
さらに別の依頼が発生し、イギリス軍需産業の背後にいるゴールドスミスが中東戦争の再燃を画策しており、マジョルカでゴールドスミスを殺害してほしいというものであった。ゴルゴはマジョルカに向かうが、ゴルゴの依頼を妨害している者は、ゴールドスミスは保護したと言い。パートナーとして手を組んでほしいとのことであった。
妨害者はNEIというデンマーク国立経済学院とそのリーダーのギオル。NEIがマジョルカからゴルゴは出国できないようにさせた。ゴルゴは航空機のパイロットを気絶させ、自らがパイロットとなり出国し、香港へ向かう。香港の客家最大の組織、陳門会のリーダー陳勝輝と会い、ゴルゴもNEIの存在を知る。
NEIはゴルゴへの仕事の依頼をキャッチする。また、NEIには陳門会から既に学生が派遣されており、情報を収集した。今度のゴルゴの依頼は、標的が中国系実業家の李栄良。NEIで李の身柄を確保し、再び妨害を画策した。NEIの刺客が李を確保しようとすると、李が反撃。しかしこれはゴルゴが李に成りすましていた。
ゴルゴはNEIの情報通信科を訪れ、メンバーが全員揃ったところですべて殺害した。NEIを片付けた後で、ゴールドスミスの殺害も完了した。依頼人は期限ぎりぎりだったと思った。
(解説)
「情報遊戯」の一幕である。NEIのデータは、ネットやハッキングも含めてコンピューター上の情報を収集できるにすぎない。しかし情報はそれだけではない。人の頭の中に入っている情報というものがある。それは人を介して出ないと伝わらない。世界の情報機関といえども、その情報収集力には限界がある。
我々一般人は、ハッキングなどしようがないので、世の中に転がっている情報を当てにするしかない。しかし本当に価値のある情報は人が持っているものだ。しかしSNSで飛び交う情報等、みんなが知る情報であるから、大した情報ではない。飲みの席や会食の席で、あまり色々な人が知らない情報こそ、価値のある情報はない。
ネットだけに情報収集を依存するのは危険といえる。
[教訓]
〇誰もが知っている情報には価値がない。SNSで飛び交う方法にも価値がない。人通しを介する情報に本当に価値のある情報がある。人との会話を大切にせよ。