「精巧な機械ほど狂いには弱いっていうな・・・たった一つの歯車が欠けただけで機械はストップする!」
(ストーリー)
コーザ・ノストラ等ゴルゴに手下を殺された組織の親分が一堂に会して、ゴルゴに復讐を誓った。今、ゴルゴはマルタ島で静養している。そして彼らはゴルゴが突然右手がしびれる病気を持っていることを知っていた。今がチャンスとばかり、ゴルゴの弱点を探し出し、今回はレズビアンであるキャサワリーを刺客として送った。
(解説)
「キャサワリー(前編)」の一幕である。ゴルゴは常にストレス化に置かれているため、突然右手がしびれだすという、治療不明の病気を持っていた。それをマフィアのボスたちは知ることになって、今がチャンスと思うのも当然である。
完璧主義者というものがいて、言うほど全然完璧でもなくて、自分でそう思っているだけで、実際は矛盾だらけの存在なのだが、ちょっとでも何かがずれると突然行動が止まってしまう。また、完璧じゃなければだめなので、目標に達成していない自分が許せなくなる。許せなくなった自分は自分ではないのだ、認められないために、人に自分を曝すこともできなくなってしまう。
完璧主義者であるゆえに、自分の作り出したハードルに達成するまでは、ついつい頑張ってしまう。他人からすればそれで十分だと思っても、自分で十分だと思えない限りは完ぺきではないのだ。ただ、繰り返すが、その人が思っている完璧とは、神様からすれば全然なレベルでしかない。普通の人からすれば、別にそこまでしなくても生きてはいけるでしょ、と言われる程度だ。
具体的に言えば、例えばその人が弁護士になりたいと思っていて、それになれない自分が情けなくなって、弁護士でない自分は自分ではなくなるのだ。自分を認めようとしないから、人並みの生活すらもできなくなってしまう。いらぬ苦労も背負ってしまう。
ゴルゴの場合とは比較しようがないが、結局、気の持ちようであって、人生は妥協の産物である。妥協をしなければ生きてはいられない。完全であるということは生まれないことに限る。でも生まれてしまったからには不完全であることを許容して生きていかざるを得ない。それができて初めて人並みの生活ができるようになる。
ビジネスにおいても、利益が出る会社じゃなければ完璧でないなんて言い出したら、世の中の8割は赤字である。ビジネスなんてものじゃない。それでもそれなりにやってきている。赤字のときもあり、黒字のときもあり、赤字続きだが、サポートしてくれるから何とかやっていける企業もある。みんながギリギリに何とかしているだけなのだ。それに気づければ、自信が持てるようになる。生きているだけでもアンタはすごいんだとね。
[教訓]
〇赤字続きでもキャッシュが回っていればアンタはすごい。
〇経営者というだけだってすごいじゃないか、よくやっていると自分を褒めてあげよう。自信を持てば変わる。
〇完璧主義は柔軟性を欠く。