「今、警察がロシアの城に突入したところで、死ぬことを全く恐れぬ化け物どもの徹底抗戦に遭い、おびただしい死者が出るのは、目に見えている!また、警察上層部も、それを覚悟で突入することはできないだろう・・・」
「だから、あんたが自分で金を出して、俺にミハイルの抹殺を依頼する・・・というのか?・・・俺に仕事を依頼するのに大義名分はいらない・・・依頼する本当の理由を聞かせてくれればいい・・・」
「そうなんだっ!!カレンのためだっカレンの怨みを晴らすためだっ!!カ、カレンのためにっ・・・!!お、俺は・・・カレンを心から愛していたんだっ!!」
(ストーリー)
ニューヨークのチャイニーズマフィアの部下3人が殺された。ボスのチャンは、ロシアマフィアのドン、ミハイルが指令しているという。チャンはミハイルを恐れた。チャンはミハイルに捕まり、死体となって見つかった。
ミハイルはマフィアを並外れた戦闘部隊に変えた。ミハイルは、以前ロシア正教異端派の神父であった。
いよいよ財界人にまで矛先を向け始めたため、ミハイルが本拠にしているロシアの城へ警察のカレンが潜入することにしたが、カレンまで死体で見つかった。ゴルゴにカレンの同僚がミハイルの殺害を依頼した。
ゴルゴもロシア人を装って、ロシアの城に潜入。ミハイルを狙う男がいるという情報が伝わってきた。ミハイルはゴルゴに先制攻撃を仕掛ける。その後、ゴルゴの調査を行い、ミハイルがコールタールの池に背を向けているときにゴルゴがその中に隠れていて、背後から襲う。絞殺して、火を放った。いかにもコールタールの池から死霊が出てきてミハイルを殺したかのように見えた。
(解説)
「死臭の聖者」の一幕である。ゴルゴに仕事を依頼するには本当の理由を伝えればいいという。
社会のためになりたい、御社のために、そうきれいごとを並べる人が多いが、そんな事を微塵も考えていない人が言ったとしても何の信憑性もない。社会のためじゃなくて、自分のため、御社のためじゃなくて、自分のキャリアアップのため、と言った方が、まだ本心が聞けていい。心の叫びの方が、案外社会を変えたりする。例えば、自分がシングルマザーだったとしよう。そのときに、社会では待機児童の問題が、というよりも、自分が働けなくて困るじゃないの!と心の叫びをあげ、自分が困らない社会、自分が心地よいと思う社会づくりをした方が、結果として、社会のためになることが多いのだ。無理をせず、自分のために生きよう。国富論のアダム・スミスも、自分のために生きれば社会はよりよくなるという趣旨のことを言っていた。つまり『利己心の発揮は見えざる手を通じて社会の利益を増大させる。』ということである。
[教訓]
〇自分の好きな社会を作れ、その方が案外社会を良くしたりする。
〇自分の心の叫びに忠実になれ、その方が社会の利益は高まることもある。