世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

先行者利益を手に入れろ

「我々、北方石英貴石公団と科学アカデミー・マンモス委員会の主力商品は同じものなのですよ。ワシントン条約で商取引が禁止された、象牙の代用品としてのマンモスの牙・・・それにスケールの大きな展示物としてこれ以上のものは中々考えられない、マンモスの全身骨格。この二つです。すなわち、同じ商品を扱っているわけです。ならばあとは何が問題かはあなたたち資本主義の先輩の方がよくご存じなのではないですか・・・?市場一番乗りの有利さについて、は・・・」

(ストーリー)
ソ連のシベリアでマンモスの発掘を行っていた。ソ連の北方石英貴石公団がカナダ財界と合弁企業を作り、マンモスの牙と骨格を販売できる。KGBは科学アカデミーを応援しているため、貴石公団にマンモスの商売を独り占めさせたくない。そこで貴石公団の発掘隊にデニーソヴィチを潜入されて、獲物を戴く計画を立てた。

貴石公団の乗る車が氷の上を走ると、氷が割れ動けなくなった。湖に沈みそうになったので、やむを得ず、ゴルゴが自分のライフルにロープを縛り付け、木に引っ掛けて脱出。ゴルゴはライフルを失った。その車にはデニーソヴィチが乗っていて、銃で公団のメンバーを脅し、地図を入手。クレバスにキャタピラを取られ、揺れたすきにゴルゴはデニーソヴィチを蹴り倒す。メンバーが銃に八つ当たりをして銃針を曲げてしまい、使い物にならなくなってしまった。

ヘリがやってきて、貴石公団の車が狙われる。手りゅう弾によって走行不能にさせられ、メンバーは車から出て逃走するも、一人残して全員射殺される。アカデミーの用心棒ヘルムートは車の中に暗殺者がいることを察知。ゴルゴは車から出てきて、湖の中に入り、マンモスの牙を投げつけ、ヘルムートを殺害。銃を奪い取り、アカデミーのメンバーを射殺し、ゴルゴはアカデミーの乗ってきたヘリで去った。

(解説)
「マンモスの牙」の一幕である。貴石公団がカナダの企業と合弁を組むときの誘い文句である。同じものを取り扱うのならば、先に行った方が利益を得ると。いわゆる先行者利益である。

既にマーケットが確立されている象牙の代用品という言い方も、経営のことを知っていないといえないと思う。マーケットが確立されていない物であれば、先行者が不利になる場合もある。つまり顧客開拓でお金が尽きてしまうケースだ。先行者が畑を耕すときの肥やしになってしまう。先行者利益を獲得できる条件は、顧客がしっかりいて、後発者が同じものを扱った場合と言える。先行者は知名度を高められるため、有利になることは確かだ。

[教訓]
〇顧客がいて、同じものを扱っている場合には、先行者が利益を獲得できるチャンスが高い。
〇顧客を開拓するような場合には、先行者が不利になるケースもある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする