「クリスが殺されれば当然KKK団は我々に目を向ける・・・彼らの当面の敵は、我々各州合同協議会だからな・・・と、なればまた、我々の仲間が何人、KKK団の報復を受け血祭りにあげられるか、わかったもんじゃない、私はそれを避けたかったんだ・・・犯人がプロフェッショナルとわかれば、それを雇った人物はあらゆる範囲に広がる・・・クリスは事業面から数えきれないほど敵を持っていたからな・・・」
(ストーリー)
納屋で黒人女性を乱暴しようとした白人をゴルゴは射殺し、外で焚火をしていた仲間を一人射殺した。もう一人は運転手をやらせるために生かしておいたが、その白人は警官がゴルゴという犯罪者を探していると尋ねたが、その場は黙っておいた。なぜ自分の名前を警官が知っていたか疑問に思った。その運転手と共にゴルゴは依頼人がいるジャクソンシティへ向かった。先ほど助けた黒人女性も彼らが乗るトラックの荷台に飛び乗った。
車の移動中、白人数名が道に立ちはだかったときに、運転手は助けを求め、ゴルゴに射殺された。ゴルゴはそのときに負傷し、ある小屋で2日間。療養していた。黒人女性はゴルゴに薬を買おうと街に出たが、不審に思った白人警官に射殺された。
ゴルゴは、自分の依頼者が自分の事を警官に密告したことを確かめ、依頼者を射殺した。
(解説)
「“Dabbie!”(後編)」の一幕である。依頼者が警官にゴルゴが犯人だと密告した。その理由は、KKK団の敵は自分たちだから、犯人が分からなければ自分たちのせいにされ、報復されるからという。憎しみは連鎖する。確かに狙いはよかったのだが、ゴルゴを相手に密告をしてしまうのはよくなかった。
ゴルゴの名前さえ出さなければ、いつものことでゴルゴは風と共に去りぬだったであろう。しかし名前を出してしまったから、わざわざジャクソンシティまで戻って来て、密告した依頼人を殺害することになった。
最初からうやむやにしたければ、うやむやにしなければならない。中途半端に明確にするところを明確にしたら、全部が明確になってしまう。物事は徹底させなければならないということである。
[教訓]
〇物事は徹底させよ。中途半端がよくない。