「遅いな・・・ロシア人は時間にルーズでいかん!君は、私に雇われとるんだ。アメリカドルでな!・・・それを忘れるなよ・・・」
「・・・約束の時間ちょうど・・・のはずだが・・・」
「これからは、雇い主を待たせたりするな!」
「射撃の時一人では危険だ・・・サポートします・・・」
「誰に向かって口を利いてるんだっ!?君はただ。私たちを虎のいる場所へ連れて行けばいいのだっ!!それ以上のことは何も期待していないっ!!ドルが欲しいのなら口語多雨せず、私の指示に従うことだっ!!」
「相当お疲れのようだ・・・休みますか・・・?」
「あ、ああ、マイケルとモートンもだいぶバテたようだ。少し、休憩が取れれば・・・」
「さっき休んだばかりだろうっ!!それでなくても予定より遅れとるんだっ!!泣き言言わずに歩け歩けっ!!」
「ライフルしか持とうとしないあんたと違って、こっちは撮影機材からテントまで背負ってるんだ!少しは気を使ったらどうなんだよ・・・」
「これで、もし虎が現れなければ、お前のギャラは半分に減らすからなマルコフ!」
「そんな契約は聞いていないが・・・・」
「結果が全てだ!それが資本主義のルールだよ!体裁だけ整えておけば報酬を得られるコミュニズムとはわけが違う!」
(ストーリー)
アメリカの文豪で、著名なハンターであるホワイト・ガードナーが幻の「アムール虎」を仕留めるために、ハンティングガイドを雇った。それはロシアのユーリ・マルコフであった。ガードナーは共産主義が嫌いだった。またガイドの他、ドキュメンタリードラマを撮影するためのスタッフも同行していた。その後をゴルゴも追っていた。
森に入って4日ほどたち、マルコフはテントから出て単独行動をとると、スタッフの中で虎にやられた者を発見する。マルコフは虎の仕業だという。しかし本当はアムールのトラなど存在せず、スタッフを擦剤したのはマルコフであった。誰にも怪しまれずに国境地帯にないるために、ガードナーやテレビスタッフを利用したのだった。
ガードナーがマルコフに刺されるかという時、ゴルゴがマルコフを射殺した。国境地帯でマルコフはプルトニウムの受け渡しを行おうとしていた。ガードナーとスタッフはその場から逃げたが、その先で虎の声が聞こえてきた。しかし銃もなければ、撮影器具もない。
(解説)
「アムールの制裁」の一幕である。第一段落は雇い主ガードナーがガイドのマルコフと会ったときの台詞。マルコフは時間どおりに来たが、ガードナーが自分が時間だと言わん画ばかりの態度だ。自己中心的なのは、業者からも部下からも嫌われる。
第二段落は、マルコフが危険だからと気を使っているのだが、そんな事は頼んでいないし、私は狩猟も得意だと言っている。相手が気を使ってくれたら、こちらも感謝で答えよう。上司だから、顧客だからといっても何を言っていいわけではない。
第三段落は、雇い主はライフルだけ、その他はテントや機材を持っているのに、雇い主だけ体力の消耗が少ないということ。ボヤキは遠くからの独り言である。雇い主には聞こえていない。お金を払っているから気を使えではなく、お金を払っている方が気を使った方が、お金を払った以上に動いてくれる。これがわかっていない人が多い。お客も上司も損をするパターンだ。所詮人は感情の動物である。いい気分で仕事をしてくれた方がいいに決まっている。
第四段落はいきなり、雇われ人を共同パートナーのように扱っている。そして約束をたがえている。急に約束を変えるのは完全にルール違反だ。でも案外こういう顧客は多い。お金を払えば、何でもかんでも頼めると思っている。上司と部下の関係も同じだ、雇えば、何でも仕事をされられると思っている。
[教訓]
〇自己中心的な奴は上司に持つな、顧客にするな。