「親父の話だと、あの辺は、昔、金鉱ですごく栄えたんですがね、今じゃ廃鉱で寂しいもんですよ!ただ、ナギット・バーのフィリップは必ず、また昔通りになると信じて、めったに客も来ないのに、あの店を続けてるんですよ・・・昔の夢が忘れられない男って・・・あわれだなあ・・・」
(ストーリー)
バーでワトソン教授が待っていた。その後でゴルゴと、女性クレメンタインが入ってきた。FBIはワトソン教授を逮捕しようとしていたが、そのバーにゴルゴが来ていることを知り、ゴルゴはKGBに雇われ、始末されるつもりだと勝手に推測した。
そしてクレメンタインは暗殺者でワトソン教授を射殺、バーテンダーはワトソンの誤射に撃たれた。クレメンタインがゴルゴに銃を向けた途端に、FBIがバーに入ってきた。クレメンタインは銃を捨て、FBIに助けを求めた。当然、FBIは全員撃たれているのをゴルゴの仕業であると思い、クレメンタインもゴルゴが射殺したと証言した。ゴルゴは連行される。
クレメンタインには暗殺者としての師匠であり義父のジョージ・マーフィーがいた。そのバーにいて動じなかったFBIが知る男、それは暗殺者の同業ゴルゴであると教える。
その後、クレメンタインのところに追加の証言を求めて、FBIがやってきた。そこでバーテンダーが一命をとりとめたことを聞く。そこでマーフィーとクレメンタインは、そのバーテンダーを殺害することを試み、入院している病院へ向かった。証人を消すのが暗殺者の鉄則。バーテンダーの酸素吸入器を外せばいいとマーフィーは言う。
しかしそのベッドで寝ていたのは実はゴルゴだった。そしてゴルゴの標的は、実はマーフィーであった。そしてゴルゴに射殺された。ゴルゴはクレメンタインをそのまま放っておいた。
(解説)
「タンブル・ウィード 根なし草」の一幕である。ゴルゴがバーに向かう途中のガソリンスタンドで給油中に、店員にナギット・バーはどのくらいだと聞いて、距離の後で答えた台詞である。
あるビジネスが上手くいくとその周辺にビジネスが集まってくる。炭鉱であれば、そこに住む人が増え、店も増える。しかし廃鉱になれば人も消える。これは望みがないと思ったら、急いで撤退しないと、貧乏まっしぐらだ。バーテンダーのフィリップは撃たれたわけで、別の意味でも哀れな男であったが。
夢はこれから見るもので、過去に見るものではない。そのため、昔の夢、一度うまく行ったことがあって、そのビジネスよ、もう一度、何て夢は永遠にかなうことがない。少なくともそんなビューティフル・ドリーマーは身近に置かないようにしよう。人を不幸にする存在だ。
[教訓]
〇過去の夢を忘れない、ビューティフル・ドリーマーには近づくな。
〇未来のための夢を見ろ、過去の夢は忘れろ。