「あらゆる革命には、それを実行した人と、それで儲ける人がいる」
(ストーリー)
フランス革命200周年記念の祭典を左派に握らせたくはないと、革命200年祭2代目委員長のエドガー・フォールの殺害をゴルゴに依頼した。ゴルゴはフォールが先も長くないのに、今殺す理由を尋ねると、左派のフォールを暗殺すれば、ミッテランが後任に左派の人間を送り込むのを考え直すだろうということであった。ゴルゴは射殺に成功。しかしフランス政府はフォールを病死と発表することにした。
さて、ナポレオン広場の工事現場から、ナポレオンと敵対したスタール夫人の日記が発見され、それを修復することとしたが、フランス美術館総局長のベルナール・エルデューが単独で行うことにした。ルイ16世の死刑賛成が361票、反対が360票。たった一票差でギロチン送りとなったこと、いとこのオルレアン公が死刑に賛成したことということは歴史的な事実であったが、その日記によると、オルレアン公は危険しようとしたが、スペインのカルロス4世からの贈り物で買収されたとの記載がある。また、この日記にあるダヴィッド作のオルレアン公の絵を以前、ヒトラーが保管していたという。それをエルデューは画学生のときにナチス占領下のパリで目撃した。エルデューはダヴィッド作のオルレアン公の絵の後の記述とこの日記によって、フランス革命で明らかにされていなかった秘密の証拠になると考えた。
ミッテランはエルデューの動きを警戒。そしてエルデューの殺害をゴルゴに依頼する。フォールの殺害を依頼したルロワがその絵画を持っていることをエルデューが知り、絵画の貸与を依頼。パレードの最中にゴルゴはエルデューを殺害。しかも水面跳躍による射撃で、警官は水中から狙撃したとしか考えられないという。絵画と日記、エルデューの生命保険金をルロワが手にし、ルロワはフランス革命の秘密を当面封印することにした。
(解説)
「200年の輪廻」の一幕である。上記はナポレオンの名言である。ナポレオンは革命を起こした方だ。一番儲けるのは革命を起こした張本人、次に儲けるのはその革命に乗じた事業家ということになるだろう。民主主義国家においては、あまりドラスティックな変化は望まれない。そのため、政治的な革命はなかなか起きないが、ビジネスの世界においては、革命的な事象は起こりえる。近年においては、インターネットの発明と普及、直近ではブロックチェーンが上げられるかもしれない。
実際は、ビットコインの生みの親である、サトシ・ナカモト氏がどこの誰なのか、そしてどれくらい儲けたのかは知る由もない。
インターネットにせよ、ブロックチェーンにしてもこの革命にいち早く乗って、それを事業化できた人が儲けることに成功している。ビジネスの革命を起こすことで儲けるか、その革命に便乗して儲けるか、後者が大半とは思うが、それが本当に革命なのかどうかをいち早く知る観察眼は持ちたいところである。何でこういうことが起きているのか、それは今後の社会的意味はどのようなものかを把握できれば、将来予測もしやすいと思われる。
[教訓]
〇巨額の富を得るためには、ビジネスの革命家になるか、ビジネスの革命にいち早く便乗して稼ぐか。二つに一つ。