「おれが、お前さんと違う点は・・・俺はこの足で、この手で10年も凶悪犯どもと付き合ってきたということだ!おれは、お前さんのように机の上で犯罪ごっこをしてきたんじゃない!!」
「君の今までの実績は、私も尊敬しているよ・・・しかし勘では犯人を逮捕できまい!」
(ストーリー)
ウォーレス卿(下院の政治家)がIRA(北アイルランドカトリック系過激グループ)に狙われているという。ウォーレス卿はゴルフを楽しんでいたが、プロの殺し屋であれば、逃走も考えるから、こんなに見通しの良い所では殺さない。ましてやスコットランド・ヤードが数名張り付いており、ヘリコプターでも監視している中では、犯行を犯さないだろうと、ウォーレス卿は高をくくっていた。
スコットランド・ヤードのダンカン警視は、周囲を調べて怪しい奴を近づけないように調査をした。そこにゴルゴがいたから、ゴルフのキャディバッグを調査したり、これ見よがしにヘリで警戒していることを伝えた。ゴルゴが怪しいとは思っていたのだ。
ゴルゴが狙撃に成功した。警官は弾が来た直線方向に犯人がいると判断して、その森を探索した。しかし犯人は出てこない。実はゴルゴは跳弾射撃をした。鉄柱に銃弾を当てて、角度を変えてウォーレスを狙撃したから、別の方向を探していた警官から、悠々と射撃現場から立ち去ることができたのだ。
(解説)
「死角の断面」の一幕である。現場で事件を解決してきたダンカン警視と、それにつきそう同僚はどちらかというと机の上で事件を解決してきた人物。勘は当てずっぽうではなく、今までの経験の蓄積から導かれる結論である。しかし、犯人は勘では逮捕できない。あくまでも物理的な証拠を必要とする。ゴルゴは物理的な証拠を残さない。
ビジネスも勘でやるのは危険だが、直勘が頼りになる世界である。むしろビジネスとは理詰めで考えてなんとかなるものではない。正直学校の勉強の延長線上にビジネスの成功などないのである。また、実績だけがモノを言うわけではない。新しいビジネスには新しい感覚が必要なのだ。実績よりも知識よりも、成功に導くのは勘でしかない。そして成功への執念である。
[教訓]
〇ビジネスは理詰めで成功できるわけではない、勘がモノをいう世界だ。だから直感を大事にせよ。