結局小さいことコツコツにはかなわない

（ストーリー）
ベン・ポーとゴルゴの一騎打ちは、素手でゴルゴに軍配が上がった。それを見て射殺しようとするインディアンであったが、ベン・ポーは身を呈して止めた。そしてゴルゴと友人になることを誓った。

ベン・ポーはアメリカ政府が、インディアンの先祖伝来の土地を汚し、アパッチの遺産とも呼ばれる財宝の試掘をしていることを苦々しく思っていた。

実はゴルゴを狙うアメリカ軍の指揮官（ホワイトサンズ・ミサイル基地司令官、ジャコブ・マクフォール大佐）は、ゴルゴが狙っている標的でもあった。基地を遠めに見るゴルゴのところに戦車部隊が到来、ゴルゴと戦車の戦闘が始まった。

ゴルゴも車を破壊され、くぼみに身を潜めたところ、ベン・ポーが逃げ道を教えてくれたが、ゴルゴは戦車と戦う道を選んだ。戦車のキャタピラのピンを狙い、キャタピラを破壊し、戦車は行動不能に陥る。そこに頭を出した兵士たちがゴルゴに狙撃され、標的もまた射殺された。

（解説）
「軽火器vs戦車砲（後編）」の一幕である。ゴルゴは軍隊と戦いに来たのではなく、あくまでも司令官を射殺に来た。ベン・ホーも一般論を言わずにはいられない。「この砂漠で戦車とやり合うなんて自殺行為だ！こいつは、勇者じゃなくって、ただの自殺だ！！」と。それで、ゴルゴが戦車を行動不能にしたのを見ての「キャッホーッ！！」である。

上記の台詞は、戦車に乗っていた司令官がゴルゴの行動に驚いて放ったもの。もちろん走行中の戦車で、それを撃てるというのは一般論とは不可能だが、相手の泣きどころを知っているということがまず重要と言える。そして、ピン一つ一つを壊すという小さな作業から戦車を行動不能にし、最終目標の戦車内にいる指揮官を射殺するという大業をなすことができた。

どんな強大な相手でも、一つ一つ切り崩していけば、行動停止までには追い込める。一つ一つコツコツと、それがどんな大きなことでも成し遂げるための唯一の必勝法なのである。