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リーダーは部下の勇み足を許せ

「勝手なことをしおって・・・だが、まあいい、それも、これもわしの身を案じてやったことなんだからな・・・」

「ここでいい・・・お前たちはすぐ引き返してくれ・・・」

(ストーリー)
ヌオールズは必ずゴルゴが自分を殺しにクリーブランドまでやって来ることを読んでいた。孫娘の遺体を引き取りに空港でヌオールズを狙撃しようとするが、情報屋ジミーがゴルゴの元を訪れ、強烈な罠が仕掛けてあるとゴルゴに注意を促した。最もヌオールズ本人は空港には現れなかった。その後、ヌオールズの部下が許可なく勝手にゴルゴを襲うが、あっけなくゴルゴに敗れる。

そしてヌオールズは孫娘の埋葬のために墓地を訪れた。そこをヌオールズが狙撃された。しかしそれもヌオールズの罠であった。彼は死ぬ直前に、ゴルゴが自分を墓地で狙撃されることを予想し、罠を張っていた。ヌオールズは死に際に墓地をすべて爆破した。これで射程距離にいる人間をすべて死傷させた。その爆薬の量は半径1.5キロ全てであった。

ゴルゴはヘリコプターで狙撃したため、全く無事だった。しかしヌオールズはゴルゴの死を確信して死んでいったのだから、幸せだったのかもしれない。

(解説)
「ステール・メイト」の一幕である。部下が勝手にゴルゴを殺害しようとしても、ヌオールズは自分のためにしてくれたと怒らなかった。そして、墓地を全部爆破しようとしたため、部下を巻き込むことになるからと言って、引き帰させた。既にヌオールズはゴルゴの狙撃による死を覚悟していた。

リーダーは、部下が自分や組織のためを思ってしたことで、仮に自分に損害が及んだとしてもそれを責めてはならない。それを責めたら、誰もリーダーについてこなくなってしまう。過ちを犯しても許す、懐の深さを持て。それが忠誠心につながる。

また、リーダーは、常に組織の部下を犠牲にしてはならない。もちろん会社組織を維持するために、解雇するような場合は別である。組織を守らなければ、その組織に残る従業員を守れない。解雇の場合は、安全地帯に部下を移すことと同義だから、部下を犠牲にして組織を守るというのとは少し意味買いが異なる。解雇された従業員には、自分を首にしただけじゃんとしか思わず、リーダーの痛みはわからないだろう。

会社がつぶれそうになったとき、自らは残るが、今後どうなるかわからないから、早く逃がすのも愛である。

[教訓]
〇リーダーは部下を犠牲にしてはならない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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