「そ、捜査官、や、奴の顔写真をコピーするとき!奴に関する資料に目を通したんですが・・・や。奴があの有名なゴルゴ13だったのですね!?ご、ご存じだったんですか!?捜査官は!?」
「ああ、気が付いていた・・・それがどうかしたのかね?」
「ど、どうして我々に一言!!・・・」
「それをいってどうなる?いたずらに君たちを緊張させるだけだろうが・・・?それとも・・・奴が、ゴルゴ13だと分かっていたら、事件の起こる前に防ぎようがあった、とでもいうのかね・・・?」
(ストーリー)
大統領指名大会を翌日に控え、検問を行っていた。ゴルゴはプラスチックのおもちゃの拳銃を持っていた。一度警察署に連れていかれるが、危険性がないと判断され、釈放された。
ゴルゴはお祭りで、的当てゲームをしていた。ゴルゴは大会会場に風船を持ち込み、そのうちの一つにプラスチックの拳銃を入れ、口に弾丸を入れて持ち込んだ。
ゴルゴはプラスチックの拳銃で、大統領候補者のブレーンを射殺した。
そしてゴルゴを逮捕するが、拳銃が出てこない。ゴルゴはプラスチックの軽い拳銃を風船につないで飛ばしてしまったのである。
(解説)
「神に贈られし物」の一幕である。ゴルゴが大統領候補者のブレーンを狙撃した後の、警察官の会話だ。結局、狙撃犯がゴルゴであるかどうかを、平の警官に知らせていようと知らせていなかろうと、結果は変わらなかったわけだが、ゴルゴはあまりにも大物すぎるので、小物警官に大物の存在を教えてしまうと、捜査に支障があると考えたのであろう。
全ての事を組織の末端まで知っているべきかというと、そうでもない。関係者だけが知っていればいいし、組織の上層部だけ知っているべきだということもある。情報の質に応じて、その情報を扱う権限は、その組織の役職によって変えるべきであり、その都度判断すべきことである。
[教訓]
〇組織の全てが、戦略の全内容を詳細に知る必要もない。かえって個々のスタッフのパフォーマンスを下げる結果となる可能性もある。