世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

会社のブランドではなく、個人のブランドで生きよ

「坂本さん、この仕事を受けてもらえれば、あなたの会社は、今後、受注に苦労することはなくなります!菱井商事専務として約束しましょう!」
「私が・・・甘言に釣られる男じゃない事は知っているはずだ・・・」
「では、米倉孝太郎個人としてお願いしますッ!!この仕事はあなたの人生で最も意義のある仕事に、なるはずです!しかも、それは、日本国民すべての利益になるのです!どうか、黙って引き受けてくださいっ!!」
「よ、よしてくださいよ!あなたに土下座なんかされちゃ、悪い夢でうなされそうだ・・・せめて、理由を聞かせてください。」

(ストーリー)
トルクメニスタンにおいてパイプライン敷設作業をしていた、坂本が、大手商社菱井商事の米倉専務から呼び出され、ゴルゴのサポートを依頼された。CIAからイラン軍が地下の減圧空間で軍事訓練をし、タジキスタンの共産党政権をゲリラ戦で崩壊させようとしていた。タジキスタンに火の手が上がれば、パイプラインを中央アジアに引けなくなる。そこでゴルゴのそのゲリラ部隊のせん滅を依頼した。坂本は、炭坑内の図面をゴルゴに渡した。

この炭坑内で、モハマディ大佐が、タジキスタンの共産党政府を倒し、イスラム政権を樹立するという野心のために、兵士を訓練していた。送り込まれた諜報員が殺され、恐らくCIAではないかと予想。数十名規模の精鋭部隊が送られてくるに違いないと考えていた。坂本が調査を行い、現在の構造を画面に表した。

迷路の炭鉱の中でゴルゴは動きまわり、部隊を翻弄した。モハマディは子供の頃から炭鉱に親しみ、ルートを熟知していた。そしてモハマディの判断よりも常にゴルゴの行動が先行していく。ある兵士がゴルゴを発見し、敵は一人だという。モハマディはゴルゴの行く手に罠を仕掛けた。そして自ら仕掛けた爆弾に自分たちだけを吹っ飛ばしてしまう。

各所の部隊が次から次へと全滅していく。ゴルゴを追って行こうと梯子に手をかけると、いきなり電流が流れる。また、ポンプ室に時限装置を仕掛け、爆発。さらに廃鉱のガス溜まりのガスや石油が噴出し、廃鉱自体が史上最大の爆弾となる。モハマディ大佐は部下を連れて、急いで逃げ出した。彼らはヘリを使い。ゴルゴは地底湖にもぐり、基地の爆発を受け、その爆発を利用して、ゴルゴは炭鉱を脱出。その後、ヘリを狙撃した。

坂本がトルクメニスタンで作業中、地震を感じた。これがゴルゴの仕事だったのだと納得した。

(解説)
「ミッション・イン・ヘル」の一幕である。技師坂本と商社専務米倉との会話だ。最初は米倉が上から目線のようなことを言うから、会社じゃなくて個人でお願いすると、頭を下げる。

ビジネスは会社同士の付き合いではあるが、そうは言っても、個人ベースの付き合いでもある。会社が例え不祥事を起こそうとも、個人同士での信頼関係が築かれていれば、それほど大きな問題はならない。コンプライアンスを気にする大企業相手になると、そう簡単にはいかないのであるが。

大企業というブランドに胡坐をかいてしまう人がいるが、その会社を去ってしまうと、誰からも相手にされなくなる。そのうちどこかの会社にいたから、うちの顧問になんていう虫のいい話もだんだん少なくなってくるだろう。前の会社のブランドが、例え上場会社だったとしても、カスになる時代はそれほど遠くはない。その会社にいるときに、いかに自分の能力を高めておくか、特に必要なのは人間力だと思う。その会社にいなくても同じことができるだけの力を持っておかないとまずいことになる。そういう人は今の会社のブランドを使って、偉そうにはしていないだろうが、残念ながら、自分に力がない奴ほど、ブランドにしがみつきたがる。何でも個人でお願いする。土下座もする、米倉氏のようになった方が、その後も仕事がつながってくると思う。

[教訓]
〇会社のブランドに頼らない生き方をしろ。ブランドにすがると、ブランドがなくなったときに何もできない人間という評価で終わる。大切なのはブランド力より、人間力だ。どこの会社に勤めているかではない、あなたはどういう人間かである。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする