「デリクスさんは、日本語がわかるんですか!?」
「いえ、よくわかりませんが、日本の演歌の心はひしひしと伝わってきます!演歌最高です!」
(ストーリー)
1988年5月のある日、キム・フィルビーはモサドの依頼により、ゴルゴに狙撃された(歴史上は病死)。フィルビーは史上最大の裏切り者であって、ディープ・スロートの走りであった。
BND(西ドイツ連邦情報局)の長官シュトラウスは、ソ連・東欧情報担当の局長シャルロッテ・バイヤールに、BNDの中に潜んでいるシュタージ(東ドイツ国家保安省)のディープ・スロートを発見するように指示した。BNDのゴルフコンペの中に、ディープ・スロートが紛れ込んでいるかもしれない。
アルファ・フィルム社の従業員デリクスは西ドイツの最高機密をマイクロフィルムの中に入れて、郵便で画商クローガーに送った。
KGBのミーシャがシュタージが西ドイツに送り込んでいたスパイと接触をして、今後KGBのために働くよう説得をすることを上司に命令された。
クローガーがBNDに逮捕され、マイクロフィルムが押収された。BNDのシュトラウス長官しか知り得ない情報があった。ディープ・スロートが長官の身近な人間であることが判明した。西ドイツの首相は、BND内部に機密漏洩源がいるため、その人物を見つけ出して処分してほしいとゴルゴに依頼した。
KGBのミーシャはBNDのバイヤールに接触、それを確認したところでゴルゴに射殺された。バイヤールが殺されたことがシュトラウス長官に伝わって、バイヤールがディープ・スロートであることを知った。
(解説)
「情報漏洩源(ディープ・スロート)」の一幕である。アルファ・フィルム社の日本人接待ゴルフで、デリクスは日本人相手に、日本語を使った。そのときに、演歌の話をした。
歌は比較的に相手国の文化に触れやすい。外国人が日本の歌謡曲を歌いだしたら、こちらもその人にやたら親しみがわいてくる。さらに現地語で歌おうものなら、ハートをつかむこともできるだろう。
外国人が演歌の心なんて言い出したら、絶対にこちらも心を開くと思う。現地の共通言語は、歌なのだ。
[教訓]
〇外国へ行ったら、歌を一つ現地語で覚えていこう。相手の心を掴む、一番効果的な方法である。