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エピソードで記憶せよ

「アンドレイ・・・イベリア半島No.1と言われる車泥棒のプロ・・・」
「車泥棒のプロッ!?それはまだ、結構なお友達がいるわね・・・でも、なぜ、彼のことを思い出せたの・・・?」
「・・・アンドレイは自分の盗んだ車のキーに必ず三角の印を残す・・・」

(ストーリー)
バスクでホテルが爆破された。それはゴルゴを狙ったものではあった。バスク祖国と自由(ETA)の仕業であった。ゴルゴはその爆破の中を辛くも車で逃亡したが、木に激突。そこをある女性が見ていて、ゴルゴを助けた。目を覚ますとゴルゴは記憶喪失になっていた。女性はゴルゴの秘密を探ることにした。

女性はゴルゴの車にかけてあったカギをゴルゴに見せると、ゴルゴはアンドレイの事を思い出す。まずは車泥棒のアンドレイの下に行った。そして、アンドレイは車を約束の場所に届けたが、ゴルゴが忘れてしまった。しかし車が置いてある場所をゴルゴは再確認できた。また、ゴルゴは記憶をたどり、ゲルニカの大木という言葉を発した。女性はその場所へゴルゴを連れて行く。さらにレモス村に車泥棒のアンドレイの隠した車を発見した。

女性は教会のヴァ―ノン神父に助けを求めた。連れがけがをしているため、今夜泊めて下さいとお願いをする。その教会を襲ってくる男たちがいて、ゴルゴは何人かを撃退するが、その場を逃げだす。女性の車はガス欠を起こしたため、そこから降りて、近くの洞窟に入る。その襲ってくる男たちはETAのテロリストたちであった。

その洞窟からゴルゴは別の洞窟へ移動し、そこから顔を出すと、広場に国王がいた。また、そこにETAのメンバーやリーダーもいる。ゴルゴは銃を発砲し、自分の使命を思い出す。ゴルゴは、爆弾のスイッチを持ったETAのリーダーを狙撃した。ETAのメンバーがゴルゴを襲うが、その流れ弾に当たって、助けてくれた女性は死んだ。そして実は教会で泊まらせてくれた神父が、ETAのリーダーであったのだ。

(解説)
「バスク・空白の依頼」の一幕である。自分の名前の記憶すら失ったものの、女性がゴルゴの記憶をたどり、車のキーを見せて、アンドレイという名前を思い出した。思い出せた理由は、記号だったからだ。

実は認知心理学において、記憶は三つのプロセルに分けて考えられ、①符号化(覚えるプロセス)、②貯蔵(覚えておくプロセス)、③検索(思い出すプロセス)に分かれている。この①の符号化は、覚えている状況、時間、感じた意味、連想したイメージ、というようにエピソード記憶として覚えていると分かりやすいということだ。

従い、アンドレイというものがイベリア半島の車泥棒、盗んだ車のカギに△を記す、というのはまさにエピソード記憶であったために、記憶から取り出しやすかったのではないかと思われる。

さらにゴルゴは事あるごとに十字架を思い出す。これはヴァ―ノン神父が狙撃対象であったからであろう。このようにエピソードや記号の方が人間は覚えやすいようだ。

[教訓]
〇記憶はエピソードを活用せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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