「最も獰猛な肉食恐竜ティラノサウルスさえ、巨大さゆえに生き残れなかったんだ!超肥大化した軍事大国、経済大国がやがて世界の怪獣となって同じ運命をたどる日がきっと来る!」
(ストーリー)
1986年アメリカのレーガン大統領は、リビアのカダフィ大佐殺害のためにリビアに対する空爆を起こした。その時に、レーザー誘導方式のASMを実践テストしたが、1弾が行方不明となった。どうやらトリポリのリビア軍基地内の格納庫で保管されているという。KGBのミサイル調査団がそれを持ち出し、最新技術の秘密を解明する恐れがあった。そこでCIAはゴルゴに、ミサイル爆破を依頼した。
CIAのエージェント、エルザがゴルゴをサポートすることになった。二人はトリポリ近くの砂漠に降下。二人をトリポリに運ぶ運転手はKGBに見つかり射殺された。足がないため、二人はわざと捕まりトリポリに潜入する。当然、脱出をする。
二人のために武器を用意していた男のところに向かい、ミサイルの搬出についての情報も流す。しかしゴルゴらが去った後で、その男は秘密警察に捕まり、二人に関する情報がバレてしまう。ゴルゴは追手を殺害する。
二人はミサイル搬出を待ち伏せし、地雷を使って搬送車を爆破。ミサイルもろとも破壊する。
(解説)
「ダイブtoトリポリ」の一幕である。CIAがゴルゴに仕事を依頼したのが恐竜の前だったが、依頼し終わった後で観客がやってきて、ティラノサウルスを前に語った台詞だ。中東で軍事行動を起こす、アメリカを皮肉っている。しかしそれはビジネスにおいても言える。
右肩上がりの経済においては、大きいことが正義になる。なぜならば経済は拡大していくから、必然的に富を生み出す箱である会社も大きくなる。しかし大きくなったらなったで、次第に膿も生じさせる。
恐竜絶滅の理由は明確ではないが、いくつか挙げるとすれば、隕石の落下、氷河期の到来と言われている。あれほどの図体であるから、絶滅を待つしかなかったのであろう。今の世の中は、将来どうなるかわからない。そこで、その環境にいかに適用できるかがカギとなる。どちらかと言えば、小回りが利く方が、生き残る確率も高くなる。
今後は必然的に多産多死の時代を迎えるだろう。小回りが利いて、環境に適用する柔軟性を持った会社が生き延びる。大きければ、財務力は高く生存能力は高いように見えるが、従業員を大量解雇する必要も出てくる。これからは機動力が問われる。つまり事業環境に応じてすぐに変化できる会社のみが生き残るのだ。
[教訓]
〇大きいものが強いと言い切れる時代は終わった。小回りが利き、環境に適応できる会社が生き延びる。